ゼラチンというと、皆さんは何を思い浮かばれますか? ゼリー、ババロア、マシュマロなど、おなじみのお菓子を作るためにかかせない材料ですね。この身近なゼラチンの効用が見直されています。 ゼラチンを1週間食べつづけた女性が、お肌の水分量がアップしたという実験をテレビで放映していました。 ここで今話題のゼラチンをちょっぴり学んでみましょう! |
左:板ゼラチン、右:粉ゼラチン (どちらも5g)
ゼラチンの原料は牛
|
ゼラチンの原料は主に牛の骨です。ゼラチン20kgを作るためには、7~8頭分の牛骨が必要です。そこで心配になるのが狂牛病。ただし国内の食用ゼラチンについては主にアメリカ、カナダ、インド、タイ、オーストラリアから原料を輸入しているので、狂牛病の影響はないということでご安心を!
|
ゼラチンでコラーゲンを摂ろう!
|
一般に、食品市場で呼ばれる「コラーゲン」とは「ゼラチン」もしくはゼラチンを低分子化した「コラーゲンペプチド」を指しています。
ゼラチンの主成分はコラーゲンを親物質とする動物性たんぱく質。 コラーゲンはそのままでは水に溶けませんが、長時間水と加熱すると、ある温度で水に溶けるようになります。これをゼラチンといいます。 形は違いますが、同様のことは煮こごりや、豚骨スープなどにも現れ、コラーゲンの多い食品として親しまれています。コラーゲンを多く含む食品を食べることと、ゼラチンを摂ることは、同じようにコラーゲンを摂取することになります。 現在の医学でもコラーゲンを摂取すると体によいことが立証されていますが、コラーゲンはどんな働きをするのでしょう? |
コラーゲンの効用
|
人の体の中では、常にコラーゲンの分解と合成が繰り返されています。
年をとると、このバランスがくずれ、分解の方が多くなってきます。
これは老化現象の一つで、しわやしみが発生したり、関節や骨が痛むのです。そこで、老化に対抗するためには、コラーゲンを補給し、新陳代謝を促す必要があります。
コラーゲンの摂取は、高血圧の防止や骨粗鬆症の軽減、関節炎の治癒などに効果があるとの報告があります。また、体内でのコラーゲン合成を促進し、皮膚の若返りをはかるとか、肌の保湿性が高まるなどの美容効果も報告されています。高齢化社会を迎え、コラーゲンの重要性はさらにクローズアップされます。 テレビでゼラチンを1週間食べつづけた女性がお肌の水分量がアップしたこともコラーゲンの効用といえます。 |
ゼラチンの扱いの注意点!
|
フルーツのゼリーを作ると、3日後に溶けてしまうという経験はありませんか?
これは、フルーツに含まれる「タンパク質分解酵素」がゼラチンをとかしてしまうからです。
例えば生のパイナップルをゼラチンと混ぜあわせると、ゼラチンがまったく固まらないことがあります。これはパイナップルに含まれる「ブロメリン」という「タンパク質分解酵素」の働きのせいなのです。パイナップルの他にもキウイ、パパイヤ、イチジクにこの「タンパク質分解酵素」が多く含まれています。このようなフルーツを使用する場合は、果肉や果汁を60℃まで加熱してからゼラチンと合わせるようにすると、タンパク質分解酵素の働きがなくなり、ゼラチンがかたまりやすくなります。 |
いかがでしたか?美容にも効果的なゼラチンを使ったデザート。
甘いものを控えてダイエットをするより、美味しくて美容・老化防止にも効果的なデザートはいかがでしょう?
[参考]
新田ゼラチン株式会社 http://www.nitta-gelatin.co.jp/
〔参考文献〕
「PCG」2001年6月号
お菓子「こつ」科学:河田昌子著 柴田書店