郷土菓子とお茶でスタート! 秋の風物詩 月見馬車
左上から時計回りに。春待馬車、桜馬車、紅葉馬車、月見馬車 |
「青森屋」で開催される「公園めぐり馬車」は、冬の終わりの「春待馬車」に始まり、春の「桜馬車」、夏の「語りべ馬車」と続く、四季折々のイベント。私が訪ねた頃は、ちょうど秋の「月見馬車(9月1日~30日)」の真っ最中。月をめでながらの22万坪の公園巡りは、おいしい郷土菓子とお茶でスタートしました。
お茶とお菓子が出された月見馬車内。提灯が消されると、語りべの前にある竹筒の中のロウソクは、↓下の写真のように |
手綱を握る、語りべの説明に耳をかたむけながら、景色を眺めること、数十分。突然、橋の真ん中で蹄の音が止まり、馬車の提灯をすべて消された時のこと。
提灯が消された月見馬車内。暗闇が落ち着くのは、木々の匂いを感じるから |
それは、都会では感じたこともない、恐いくらいの暗闇と静寂。押し開くのは、竹筒の中、音もなく揺れる、たった一本の小さなロウソク。
「右を見て」という語りべの声に、顔を向けると、そこには、木々のスクリーンに映し出された、ライトアップされた馬と馬車。そう、それは、まるで『ET』の世界。自分たちが乗った馬車が、月の下、ぽっかり浮かんでいるのです。
と書くと、1年後の話ではあるものの、来秋の馬車のネタバレにもなりそうですが、これに関しては心配無用。と言うのは、この幻想的な光景は、どんな文や写真をもってしても、伝えきれるものではないと思うから。流れを先に知っていたとしても、実際に目にした時の感動は、少しも薄れるものではありません。
ホテル敷地内のかっぱ沼から眺める南部曲屋。昔ながらの馬との暮らしを垣間見る古民家 |
これらの馬車イベントの発案のきっかけは、青森県南部地方が、古くから「南部馬」に代表される良馬の産地であったこと。「青森屋」がある三沢市にも、かつて南部藩で一番大きな「木崎野牧」があり、「古牧温泉」も“古き牧場から湧き出た温泉”に由来していると言われます。
「紅葉馬車」の次は「雪見こたつ馬車」!
「なべっこ団子」をふるまう、雪見こたつ馬車 |
ちなみに、次の企画は、11月4日~11月30日までの毎朝運行される「紅葉馬車」。それが終わると、12月2日~翌3月31日までは、南部裂織の鮮やかな布団がかけられた、こたつを設える「雪見こたつ馬車」もお目見え。
雪国気分を盛り立てるのは、「へっちょこ団子」とも言われる、中央をおへそのようにへこませた米粉で作ったまるい団子を、小豆汁に入れたおやつ「なべっこ団子」。甘酒と一緒にふるまわれる、心底温まる素朴なふるさとの冬の味です。
肌の新陳代謝を促進する成分含有の美肌温泉!
露天風呂「浮湯」。目の前は木々に囲まれた滝 |
そんな馬車の中のグルメとともに満喫すべくは、古牧温泉という土地柄、やはり温泉。目玉は、水に浮かんだような露天風呂「浮湯」。こちらは、十和田湖、八甲田、奥入瀬、白神山地など、青森の美しい水と緑をイメージして作られています。
殺菌作用もある青森ひばを使った内湯「ひば湯」 |
もうひとつは、温度が低めの「ぬる湯」と高めの「あつ湯」の2つの浴槽が、湯治の雰囲気を醸し出す、内湯「ひば湯」。天井、壁、浴槽に使われているのは、青森ひば。「青森屋」に入った瞬間、「いい匂いがするな」と思ったのは、きっとこのせいでしょう。スッキリするようで、どこか癒される、心地良い香りです。
南部栗を浸かった家具も見所のひとつ |
また、見逃せないのは、建築家・岩田尚樹氏が青森県南部地方の古民家をイメージしたという、スタイリッシュなロビー。皇居新宮殿や迎賓館、国会議事堂、帝国ホテルなどの家具も手がけた職人・戸澤忠蔵氏による南部栗を使った家具も見所のひとつです。
下記【For F コレ!おいしいから食べてみて!】にてご紹介しています!
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「青森屋」敷地内のかっぱ沼から眺める景色 |
■青森屋
所在地:青森県三沢市古間木山56
TEL:0176-51-2121
JR東北本線三沢駅から徒歩5分
東北新幹線八戸駅から車で45分
JR八戸駅より無料送迎シャトルバス有り(要予約)
地図:Yahoo!地図情報