お米を食べて育つ鶏から産まれる「こめたま」!
色づけしていない自然な卵「こめたま」。 |
今回、マルシェに並んでいた、沢山の食材の中で、特に私が気になったのは、常盤養鶏農業共同組合(青森)の「こめたま」と、大西ハーブ農園(青森)のハーブ。
「こめたま」とは、お米を食べて育つ鶏から産まれた卵。一見、黄身の色が薄いので、不健康そうにも見えるのですが、それは大間違い。輸入コーンに頼ることが多いエサを、国内産の飼料米(現在は飼料米8割に対し、穀物2割)にすることで、悪玉コレステロールだけを下げる特長を持つというオレイン酸の多い卵を産出しています。
「ベージュ アラン・デュカス 東京」に、週に70個届けられる「こめたま」。 |
しかも、鶏はストレスを与えない平飼い(放し飼いのこと)。でも、この育て方の場合、鶏が自由に動き回るため、せっかく産んだ卵が割れる可能性もあり、ケージ飼いに比べると、採卵率はぐっと低くなるそう。
そのため、現在は、約2,000羽を飼育する中、1日に確保できる卵は約1,200個。でも、そんな中でも、「ベージュ アラン・デュカス 東京」へは、週に70個も届けられているというから驚き。「ぜひ「こめたま」を使った料理を創ってほしい」という、生産者の思いが伝わってくるようです。
行き着いたのは、北緯40度のハーブ。
試飲用のハーブティーを配る、大西ハーブ農園 大西正雄さん御夫妻。 |
また、来場者に、ハーブティー用のカモミールやラベンダー、ミントなどを配っていたのが、青森の大西ハーブ農園。「これ、食べてみて!」と声をかけられ、いただいてみたのは、緑のシフォンケーキ。
バジルの風味が豊かなシフォンケーキ。 |
こちらは、20年ほど前からハーブの試験栽培をはじめ、13年前の開園以来、食材用ハーブ類を中心に、年間約250アイテムを生産する自家農園(一部、近くの農園へ委託)。それらは、料理用、ハーブティー用、サラダ用など、ヴァラエティに富んでいます。
見るからに濃い自家製バジルペースト。 |
この大西ハーブ農園と「ベージュ アラン・デュカス 東京」のつながりは、1本の電話が始まり。それは、副料理長の上野氏のサンプル依頼。その後、まもなく送られてきた1枚の注文書を見つめ、農園スタッフは、そのアイテムの多さに驚きを隠せなかったそう。「一体どんなレストランなのだろうか?」。
現在、「ベージュ アラン・デュカス 東京」からの注文書は、アイテムの指定のみのようですが、今後そこに「本日のおすすめ」という欄が加わることが、目下、大西ハーブ農園が心待ちにしていることだそう。こちらも「こめたま」同様、タイムリーな自然の声をより多く届けたいという、生産者の思いの強さを反映しているかのようです。
次ページでは、アラン・デュカス氏のインタビューをご紹介します!