「クイーン・アリス」の跡地に出来た本場四川料理店。
台湾からの調度品が並ぶ「重慶飯店 麻布賓館」内観。 |
四川料理は、辛いもの。それはわかっているけれど、本場の味は、こうも違うものかと思ったのが、ここの上海蟹のランチコースを食べてから。
それは、「重慶飯店 麻布賓館」。昨年10月、あの「クイーン・アリス」の跡地に出来た、横浜中華街「重慶飯店」の姉妹店です。
50周年の試み「重慶飯店フードコンテスト2008」。
コンテストで3位入賞の「麻布賓館」の若き新星、大津さん。 |
私がこの「麻布賓館」に注目したのは、今年の秋、横浜ローズホテルで行われた「重慶飯店フードコンテスト2008」が始まり。
これは、来年2009年に創業50周年を迎える、「重慶飯店」初の試み。横浜中華街の本館をはじめ、名古屋店、岡山店も含む「重慶飯店」の8人の料理人が、“コラーゲンたっぷり美肌料理”をテーマに、味とパフォーマンスを競うものだったのですが、そこで3位に入賞したのが、この「麻布賓館」の若き新星、大津さん。
8人中、3位と言うと、確率的にはそれほどでもと思われるかもしれませんが、その味は、私には1位に輝いた「牛すじ入りフカヒレスープ」より、鮮烈な印象を残しました。
その時のお料理が、「豚耳のにんにく辛子炒め」。豚の耳を野菜と一緒に煮込み、その汁をゼリー状に固めたピリカラのひと品です。
3位入賞の「豚耳のにんにく辛子炒め」は来年3月まで。
コリコリ感とピリッとした辛さがたまらない「豚耳のにんにく辛子炒め」。 |
コンテスト出場にあたり、大津さんが真っ先に思ったのは、おもしろみのある食材を使いたいということ。そこで、敬愛する孔料理長などの意見も伺い、白羽の矢を立てたのが、豚の耳でした。
最初、豚足も頭に浮かばないではなかったそうですが、これだと皮だけになり、アレンジにも限りがある。でも、豚の耳は軟骨のコリコリ感を引き出せる上、リーズナブルでもある。
そんな観点から、試作に取りかかり、やり直すこと数回。盛り付けにも気を配り、味と見た目が最高点に達したところで、そのお料理は大舞台に出されました。
「麻布賓館」のダイニング席。 |
そこで、大勢の人に認められ、3位入賞を果たした「豚耳のにんにく辛子炒め」。その華々しい味付けは、その日一日のイベントで終わらせるのは、とても残念なこと。そこで考えられたのが、来年3月までの「麻布賓館」でのメニューアップ。
単品でも頼めますが、今回はランチコースの前菜に組み込まれたひと品として、その栄えある味覚を楽しんできました。