開発におよそ3年! ハーゲンダッツアイスクリーム!
ハーゲンダッツ本社に飾られていたパネルとドルチェシリーズのカップ。 |
開発に約3年かかると言われる、ハーゲンダッツのアイスクリーム。現在も、およそ30品が開発進行中というから驚きです。
この数を聞くと、この中の良いものだけが選ばれて発売されるように思いますが、それは思い込み。「着手したからには、目指すはすべての発売。ただ、その時期が違うだけ。原料の調達、美味しさなど越えなければならない難関はいくつもある。それをクリアしたものが、商品になっていくということです」。
2種類のパイを使うことでミルフィーユを表現。
ドルチェシリーズ 手前から:ミルフィーユ・ティラミス・モンブラン。 |
そんなハーゲンダッツの最近の大成功は、「ティラミス」「クレーム ブリュレ」「モンブラン」に続く、ドルチェ第4弾となる「ミルフィーユ」。苦労したのは、パイのサクサク感。ケーキのミルフィーユのように大きなパイを重ねたり、カップに対して垂直に入れてみたりと、試行錯誤。でもどれもアイスクリームとしては食べにくく、パイの形状がずっと高いハードルになっていました。
でも、2種類のパイを使うことで、一気に進展。濃厚なカスタードアイスクリームの中にダイス状のパイを混ぜ、さらに表面にはパイフレーク。お陰で、フタを開けた瞬間のミルフィーユらしさもひとしお。味、食感はもちろんのこと、見た目にも納得のいくアイスクリームに仕上がりました。
ハーゲンダッツのレシピは全世界共通!
クリスピーサンド カスタードプディング。 |
このドルチェシリーズに限らず、開発は主に2名体制。企画担当者と開発担当者が1組になり、ああでもない、こうでもないと知恵を出し合います。仕上げは、何回も社内試食をくり返した上で、100人単位での試食調査や数名をピックアップしたグループインタビューも行って、これらを総合して、商品の魅力を測ります。
このような段階を経て、市場に出回るレシピは、全世界共通が基本。日本で開発された「クリスピーサンド」はヨーロッパやアジアへ、カップアイスの「グリーンティー」もアジアへ、フランスで開発されたアイスクリームバーも今や各国でお馴染みの人気商品となりました。
特に「クリスピーサンド」は、開発過程でアイスクリームの水分がウェハースに移るのを遮断するのが難しかったため、アイスクリームをコーティングする技術が確立された時には、力を合わせて作り出した充実感が社内にみなぎったそう。
でも、そんな開発の忙しさは、ともすると日本が一番。その理由は、マーケットからの新商品を出してほしいという要望。スタッフの方いわく、「日本のお客様は、新しいモノが好きという傾向も強く、そのあたりが、さほど新商品を出さなくても、同じ商品が売れ続ける海外との決定的な違いです」とのこと。
では、この秋、2008年9月1日以降は、どんな新商品が出てくるのでしょう。
次ページでは、今秋販売開始の新カップアイス4点をご紹介します!