世界の銀座にふさわしい「仏蘭西料理 みつ和 GINZA」。
「アルマーニ」「ブルガリ」など海外高級ブランドのレストランが次々OPENする銀座。「それは世界的に展開する企業群が、銀座を日本の拠点ではなく、アジアの拠点として位置づけているから」。そう話すのは、「仏蘭西料理 みつ和 GINZA」のオーナー、清水昌子さん。この「ギンザ・グラッセ」で、世界の銀座にふさわしいレストランを創り上げた女性です。
コンセプトは、日本文化を大切にする。そのひとつが、川島の絹織物を使った壁や、漆に金箔を流したインテリア。そこにモダンなワインセラーやオーセンティックなバーラウンジが加わり、落ち着いた空間を生み出しています。「六本木やお台場が急に脚光を浴びても、銀座の伝統はいつもどこかで息づいている。銀座を訪れる若い世代の方も、ぜひ銀座の上質を体で感じていってほしい」。
シェフは、2003年ボキューズ・ドール日本代表!
そんなオーナーの思いをお料理に取り入れるのは、2003年ボキューズ・ドール日本代表の川端清生シェフ。コンセプトは、「日本人が好むフランス料理」。元来農耕民族である日本人の体に優しいフランス料理でもてなします。とは言っても、それは和風フランス料理でもなく、フランス料理風和食でもない、独自の路線。多品種、少量を好むと言われる日本人が、心から美味しいと思えることにこだわっています。
そのため、メニューはランチ(6,500円 税・サービス料別)もディナー(15,000円 税・サービス料別)も月替わりのワンコースのみ。甘い物を食べた後、しょっぱい物を食べたくなるように、トータルでそのメリハリを楽しんでほしいという気持ちから組み立てられたコースです。6,500円のランチと言うと、ちょっとお高く感じますが、食後の満足感はしっかりおつりがきます。
ホワイトアスパラを桜海老の香りでいただく。
この日はランチをいただいてみたのですが、最初に出てきた「ホワイトアスパラガス 駿河湾産桜海老のムースリーヌ」の香ばしいこと。この香りの正体は、紛れもなく桜海老。その味わいは、ソースの中にも見え隠れします。シャキシャキしたフランス産のアスパラは、まるでもぎたてのとうもろこし。舌に残るソースの酸味が、次のひと品までの余韻に浸らせます。
全7品をいただく充実の前菜。
前菜は、全部で7品。それが二皿に分けられ、時間を置いて運ばれてきます。一皿目はバルサミコが効いた「鱸の昆布締め」、なめらかな「蟹とアヴォカド」、「野菜のテリーヌ」、甘いアメーラを使った「フルーツトマトのタルティーヌ」の4品。
どれもおいしかったのですが、特に気に入ったのが「野菜のテリーヌ」。ドライトマトや春野菜、モッツァレラチーズをコンソメで味付け、ちりめんキャベツで巻いたもの。温めては漬け込むことをくり返しただけあり、素材の色がとてもきれいです。
二皿目は「鴨とフォアグラとドライ無花果」、「ポークのパテとポルト酒ゼリー」、「野菜の酢漬け」の3品。ひと品づつは小さいのに、どれも見るからにひと手間ふた手間かけているのがわかります。フォアグラもソテーするだけではなく、表面や間にシロップに漬けた無花果をプレスしていたり、パテも作るだけで何時間もかかるのに、それをさらに薄いポルト酒のゼリーで巻いていたりと、基本のおいしさにプラスアルファが重なる味わいに、贅沢感もひとしお。
おいしいのは、閉じ込めた旨みを一気にいただく瞬間。
メインは、「春子(鯛)と帆立貝のムース メリースの香るキャベツを添えて」「岩手山あじわい鶏のグリル、フランス産茸添え」など3つのメニューからの選択。「霧島ポークのガレット そのジュとマスタードサワークリーム」を選びました。
別の選択肢「春子(鯛)と帆立貝のムース メリースの香るキャベツを添えて」。 |
添えられたサワークリームには、味噌と七味唐辛子が混ぜられ、とても馴染みやすい酸味。付け合せのインゲンもバターで炒められていたら、くどくなっていたと思いますが、ゆでただけであることで、ソースがまた生きてくるよう。
蓋を開けた瞬間、最高の香りが立ち上る。
おもしろいのは、京都の筍を使った筍御飯、味噌汁、香の物が出てくるところ。昼は昼、夜は夜で丁寧に取るダシで、蓋を開けた瞬間の香りは最高です。ワインで余韻を残したい人のために、こちらはチーズの盛り合わせにも変更可能。
朝焼きのサクサクメレンゲで塩のソルベをすくう楽しみ。
デザートは、ゲラントの塩のソルベに桜の葉のスープを注ぎ、朝焼いたばかりのサクサクのメレンゲをアレンジしたもの。ソルベもスープも塩味のため、味がぶつかるのではないかと思ったのですが、いただいてみると思いの外、調和していることに気付きます。塩味と言うと、効かせるという言葉を使うくらい、突出してくるものなのに、それがとても控えめ。さっぱりと優しい仕上がりです。
ミニャルディーズは、1Fのカフェ「pâtisserie mitsuwa GINZA」のお菓子(サイズは小さくなります)も含め、ランチでは2~3種類、ディナーでは4種類を用意。この日は、梅風味のゼリーとムースがおいしい「ふくゆたか」なども出ていましたが、詳しくは洋菓子でご紹介しています。
華やかさと落ち着きが程良い調和する個室。 |
■仏蘭西料理 みつ和 GINZA
ギンザ・グラッセB1F
電話:03-3561-3200
営業時間
ランチ :11:30~14:30(LO14:00)
ディナー:17:30~23:00(LO21:30)
土曜 :11:30~22:00(LO21:00)
日・祝 :11:30~21:00(LO20:00)
定休日:無休
バーのみ喫煙可
次ページでは、「甲羅本店」の新業態店「かにと旬魚菜 KORA」をご紹介します!