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冬の楽しみを頬張る、高原野菜の朝ごはん!(2ページ目)

イノシシやウサギの足跡を追って、野鳥の森を進めば、そこに現れるのは、4度の池で生きるおたまじゃくし。さあネイチャーツアーに出かけよう! でもその前に高原野菜のスペシャリテ! そば粉のクレープに舌鼓です!

執筆者:河野 優美

エコツーリズムの専門家が森の中を案内。

軽井沢ホテルブレストンコート
「ピッキオ ネイチャーツアー」中、平原から撮影した浅間山。

野鳥の森の入口「ピッキオ ビジターセンター」から出発する「野鳥の森ネイチャーウォッチング」は、環境省「第一回エコツーリズム大賞」受賞自然体験ツアー。

“ピッキオ”と呼ばれる、地域の自然を守り伝えるエコツーリズムの専門家が、1974年に日本で最初に指定された国設野鳥の森を案内します。

この約100ヘクタールに渡る敷地では、年間約80種類の野鳥が見られ、遥かシベリアからやって来た渡り鳥の姿に出会うことも。また、ツキノワグマやニホンカモシカなど、多くの野生動物も生息しています。

足跡からわかる、イノシシの習性と行動。

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川に向かうイノシシの足跡。

まず、最初に見つかったのが、イノシシの足跡。この足跡から何がわかるかと言うと、ここでのイノシシの行動。足跡の向きから、イノシシは、とつとつと川に向かって歩いてゆき、そこでどうやら木の根など、何か食べ物を探した様子。

それを教えてくれるのが、川岸に残る、たくさんの踏み跡。これにより、土を掘り起こす習性があるイノシシが、雪を蹴散らし、その下に眠る何かを、物色したのがわかるのだそう。

イノシシは、あまりに気温が低いとじっとしているため、繁殖力も弱くなり、個体数が減るそうですが、暖冬だとその逆で増えていくのだそう。そのため、エサを求め、農家の畑を荒らすなど、被害も急増。

ホテルの駐車場にも出没するらしく、仕事が終わったスタッフが、ホテルを出たとたん、目が合うこともしばしば。猪突猛進されるとこわいので、視線をそむけ、そそくさと通り過ぎるようにしているそうです。

足跡だけで、目の前にいないウサギが浮かんでくる。

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また、この日は、ウサギの足跡も発見。ぴょんぴょん飛んで、一回休み、そこで左の雪の中から出ていた枯れ枝をちょいと間食。またぴょんぴょん飛んで、一回休み、さてどっちに行こうか少し迷う。

そんなかわいい姿を、ほんの少しの足跡から、ピッキオの方が推察。なぜそうなのか、説明を加えながら教えてくれるので、ああ、もう、なるほど。まるで今、目の前にいるかのように、ウサギの姿が浮かんでくるから楽しいです。

4度の池で生きるおたまじゃくし。

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まわりの木々を映す人工池。野生動物の水のみ場としても利用されています。

また、驚いたのが、途中で通りがかった人工池でのこと。4度の水の中だというのに、なんとカエルがいるではありませんか。動きはかなり緩慢ですが、しっかり生きているのがわかります。

その上、そのそばには、おたまじゃくしの姿も。こちらも鈍く揺れる程度ですが、ちゃんと生きている。しかも、ピッキオの方の説明によると、2年もののおたまじゃくしもいるそう。

と言うのは、この池は野生動物の水のみ場として人工的に作られたものなので、日当たりのいい場所を選んだわけではないため、夏もあまり温度が上がらないそう。そのため、中にはカエルになれないおたまじゃくしも存在し、それらはもう1年、ここで冬を越すのだそう。こんな小さな生き物が、次の夏を目指し、必死に生き抜いている。生命のすごさには、本当に感心させられます。

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左上からみぎまわりに。黄金色のウサギのフン、ツキノワグマがのぼった爪の跡、幼虫が入っていたまゆ、胡桃の殻。

また、森には、姿は見えなくとも、たくさんの動物の痕跡や落し物が。それは、フンやまゆ、はたまた、秋に隠しておいた胡桃をリスやネズミが食べた殻。また、別の場所には、パッカリ開いたイガ栗も。この真冬に、きっとこれにありつけた動物にとっては、すごいごちそうだったことでしょう。

まゆは、幼虫が成虫になった際の抜け殻とばかり思ったら、ピッキオさんいわく「これは、多分、鳥に食べられたあと」。通常、成虫になる場合、殻の上から出て行くそうで、これは真ん中に穴が開いている。そんなことからも、一匹の幼虫の運命がわかってしまうのですよね。

そして、さらに奥に進んでゆくと、高い木の幹には、ツキノワグマがのぼった爪の跡。でも、ここにいる分には、遭遇しなければ問題はなし。地域の人が悩むのは、人の出したゴミに餌付けされたクマ。そのため、2006年には、軽井沢でアジア初の「国際クマ会議」も開催され、人とクマの共存のため、調査、保全活動が行われています。

何度参加しても、新しい発見と驚きをくり返す。

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と、こんな感じでツアーは進んでいくのですが、これはあくまで冬のとある一日。ピッキオさんの個性によっても楽しみ方は違ってくるし、季節によっても、森は別の顔を見せる。なので、何度参加しても、新しい発見と驚きは続き、飽きることがありません。

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野鳥の森の案内人になって13年というベテランの大塚敏之さん。

ちなみに、今回のピッキオさんは、この森を案内して、なんと13年。それでもまだまだ、日々、新発見にワクワクするそうです。

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それでは、次ページでは、村民食堂&カフェハングリースポットにて、 名物の定食と村民ロールをいただきましょう!
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