率直でありながらひねりのある逸品を提供する「食幹」。

食幹
「なだ万」での修行時代は、いつも怒られてばかりでした。でも、おもてなしとはどういうものか、しっかり勉強させていただきました」と語るのは、料理長の佐藤幹さん。

若干32才で、ここ「食幹」を独立開業。若さゆえ勢いのある、かつ率直でありながらもひねりのある逸品を提供してくれます。

そのひとつが、「お野菜の造り トマト味噌」。これは、アラカルトメニューにはない、コース(夜:5,000円)のみのスペシャリテ。率直な野菜の味を、ひねりを効かせたトマトの味噌でいただきます。

これが、なんとも今までに食べたことのない美味しさ。甘酸っぱいような、しょっぱいような。これは、ドライトマトと白味噌のブレンド。トマトの凝縮感と味噌のコクが、それぞれうまく引き出されています。

野菜は塩で食べれば、ストレート過ぎてきつい。味噌で食べれば、濃過ぎて疲れる。ならば、その間でいこうとマイルドな味わいを探した結果、行き着いたのが、このトマト味噌だそう。

あまりの印象深さに、「お持ち帰り用に販売しないのですか?」と伺ってみたのですが、答えはNO。「今はまず、ここでの料理を楽しんでもらうことに専念したい」とのこと。そうですよね。2007年5月27日OPENの勢いを、目下、渋谷の地に根をおろすことに注ぐ「食幹」なのです。

東京最大と言われるカウンター席がメインの日本料理店。

食幹
店内は、厨房をぐるりと囲む東京最大と言われるメインのカウンター席と、奥の壁を隔てたテーブル席、完全個室1室で構成。

カウンター席は、私達食べ手の反応がダイレクトに料理人に伝わる一方、食べ手には料理人の技を眺めるという愉しみがあります。

その中で湧き起こる厨房と食べ手の一体感は、目の前でできたてのお料理が提供されるカウンター席ならでは。臨場感のある喜びの共有こそが、食の醍醐味とも言えましょう。

相手が何を求めているかいち早く察知するおもてなしの極意。

食幹
とは言っても、皆が皆、料理を求めてやってくるゲストだけではないのが、お店の常。それは、どこの料理店も同じです。場所や時間を求めてやってくる人もいる。

そこもお店のおもてなしの質が問われるところ。「たとえ料理がセカンドになったとしても、押しつけにならないよう気を配っています」と料理長。

食幹
若干32才で「食幹」を独立開業した料理長の佐藤幹さん。
いろんな人が集まるお店だからこそ、相手が何を求めているかをいち早く察知するのも、おもてなしの極意。食べ手と料理人のダイレクトな行き来があるカウンター席だからこその気遣いとも言えます。

私はもちろん料理目当てで行きましたが、店内には初めての人もすっと馴染める空気があり、いやすさを覚えました。結果、料理と店内の両方を堪能できた感じです。

次ページでは、唯一のディナーコース(6,500円)のさらなる味わいに迫ります!