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ル・シズィエム・サンス (有楽町)(2ページ目)

空間をプロデュースした銅版画家・山本容子さんのアートな世界と日仏の架け橋・ドミニク・コルビさんの繊細な手腕を堪能できるフレンチレストランです。1,400本ものワインの壁に隠された上質な時間をとくとご紹介!

執筆者:河野 優美

ワインの壁の向こうに広がるアーティスティックなダイニング。

ル・シズィエム・サンス
やわらかい光が美しい羽のシャンデリア。
カフェの奥にあるワインウォールの扉を開けると、その先に広がるのが、本格フレンチを堪能する温かなダイニング。

真っ先に目に入る天空に浮かぶ白い球体が、やわらかな光を放つ羽製のシャンデリア。硬質なイメージの石造りのマントルピースとは対照的に、穏やかな印象を投げかけています。

ル・シズィエム・サンス
パリ生まれのドミニク・コルビさん。
花が一切飾られていないこの空間は、これから出てくるお料理がまさに花。

そう提案するのは、パリ生まれのガストロノミー・プロデューサー・Dominique Corby(ドミニク・コルビ)さん。

「ホテルニューオータニ大阪」のフランス料理総料理長も務めるかたわら、本場のフランス料理を日本へ紹介する美食フェアも開催するなど、まさに日仏の架け橋的存在です。

ケーキのような前菜からスタートするドミニクフレンチ。

ル・シズィエム・サンス
アミューズ。カトラリーはすべてクリストフル。
そんなドミニク・コルビさんのここでのコンセプトは、「まずワインありき」。なので、メニューは一万本を超える膨大なストックのワインに合わせて考案されたオリジナルが並んでいます。

と言うと、飲めない人は行っても楽しめないのではと思う方もいらっしゃると思いますが、心配ご無用。ここのお料理には、それだけでも充分酔えるインタレストに溢れているのです。

ル・シズィエム・サンス
アンディーブとクレーム・パルマンティエのガトー仕立て 三種類の魚卵を添えて。
たとえば、それは前菜の「アンディーブとクレーム・パルマンティエのガトー仕立て 三種類の魚卵を添えて」。

一瞬、あまりの繊細さにデザートからコースが始まったのかと驚きましたが、これはケーキに見立てた前菜。

ジャガイモのピューレとハーブのマーシュをクリームでつないでムースに仕立て、そのまわりにハチミツでマリネしたアンディーブを貼り付けたもの。

ル・シズィエム・サンス
モン・サン・ミッシェル産ムール貝のスープ エピス・コロンボ風味 パセリクリームを詰めたそば粉のクレープ。
上には、イクラとトビコ、キャビアに見立てたアブルーガ(ニシンの卵)が乗っています。そこに、差し込まれるように添えられたオレンジとマンゴーの半月切り。そして、パッションフルーツジュースを溶いたさわやかな酸味のソース。

丁寧な下ごしらえが幾重にも重なり、ひとつの料理に昇華する。この何段階ものプロセスを感じるだけで、甘美な気持ちになります。

ル・シズィエム・サンス
パセリ風味の生クリームが流れ出すスープ。
そして、スープ「モン・サン・ミッシェル産ムール貝のスープ エピス・コロンボ風味 パセリクリームを詰めたそば粉のクレープ」。

これは、魚のブイヨンでムール貝を煮込み、カレー風味の香辛料・エピス・コロンボを合わせて裏ごししたもの。

ガレットをはずすと、ふわっとパセリ風味の生クリームがスープの中に流れ出し、合わせて食べると絶妙です。エスニックな味わいの中に、フランスのエスプリも感じられ、奥が深い逸品。

一皿の中にたくさんの味わい所を用意したメイン。

ル・シズィエム・サンス
葡萄とブルグールを詰めた鶉のロースト 茸とロックフォールチーズのクリームソース。
メインの「葡萄とブルグールを詰めた鶉のロースト 茸とロックフォールチーズのクリームソース」も同様です。

これは、フランス産の鶉の中に、クスクスのようなボール状のパスタ・ブルグールを詰めて焼いたもの。その上に、やはりフランス産のトランペット茸、ジロール茸、梨のソテーが重ねられています。

ル・シズィエム・サンス
魚のセレクトなら:ハーブの香りをつけた真鯛の蒸し焼き ポテトのエクラゼと共に。
あたかも鶉の羽のように見えるのは、ハーブを練りこんだパンを焼き、それを薄切りにして、さらにそれをもう一度焼いてクルトンのようにしたもの。

もうこれ以上の工夫が見つからないというくらい手がこんだ仕上がりは、ダイナミックな見応えとともに、一皿の中にたくさんの味わい所を作り出しています。フォークに乗せるパーツによって、めまぐるしく変わる味わいは、一口ごとの面白みを存分に魅せてくれます。

ル・シズィエム・サンス
薪を積み上げた壁際の席。
ただ、これだけお料理の演出が優れていると仕方のないことなのですが、その分、全体的にコースのお値段はちょっとお高め。ランチは、4,500円、6,000円、8,000円、10,000円の設定です。

でもその分、コンセプトの主軸になるワインは平均よりちょっとお安め。ここは、酒類の製造・販売を中心に事業を展開するオエノングループの直営店なので、その辺りのサービスが可能なようです。

次ページではカフェに戻って、満足感溢れる陽射しの中のデザートをご紹介します!
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