ワインの壁の向こうに広がるアーティスティックなダイニング。
やわらかい光が美しい羽のシャンデリア。 |
真っ先に目に入る天空に浮かぶ白い球体が、やわらかな光を放つ羽製のシャンデリア。硬質なイメージの石造りのマントルピースとは対照的に、穏やかな印象を投げかけています。
パリ生まれのドミニク・コルビさん。 |
そう提案するのは、パリ生まれのガストロノミー・プロデューサー・Dominique Corby(ドミニク・コルビ)さん。
「ホテルニューオータニ大阪」のフランス料理総料理長も務めるかたわら、本場のフランス料理を日本へ紹介する美食フェアも開催するなど、まさに日仏の架け橋的存在です。
ケーキのような前菜からスタートするドミニクフレンチ。
アミューズ。カトラリーはすべてクリストフル。 |
と言うと、飲めない人は行っても楽しめないのではと思う方もいらっしゃると思いますが、心配ご無用。ここのお料理には、それだけでも充分酔えるインタレストに溢れているのです。
アンディーブとクレーム・パルマンティエのガトー仕立て 三種類の魚卵を添えて。 |
一瞬、あまりの繊細さにデザートからコースが始まったのかと驚きましたが、これはケーキに見立てた前菜。
ジャガイモのピューレとハーブのマーシュをクリームでつないでムースに仕立て、そのまわりにハチミツでマリネしたアンディーブを貼り付けたもの。
モン・サン・ミッシェル産ムール貝のスープ エピス・コロンボ風味 パセリクリームを詰めたそば粉のクレープ。 |
丁寧な下ごしらえが幾重にも重なり、ひとつの料理に昇華する。この何段階ものプロセスを感じるだけで、甘美な気持ちになります。
パセリ風味の生クリームが流れ出すスープ。 |
これは、魚のブイヨンでムール貝を煮込み、カレー風味の香辛料・エピス・コロンボを合わせて裏ごししたもの。
ガレットをはずすと、ふわっとパセリ風味の生クリームがスープの中に流れ出し、合わせて食べると絶妙です。エスニックな味わいの中に、フランスのエスプリも感じられ、奥が深い逸品。
一皿の中にたくさんの味わい所を用意したメイン。
葡萄とブルグールを詰めた鶉のロースト 茸とロックフォールチーズのクリームソース。 |
これは、フランス産の鶉の中に、クスクスのようなボール状のパスタ・ブルグールを詰めて焼いたもの。その上に、やはりフランス産のトランペット茸、ジロール茸、梨のソテーが重ねられています。
魚のセレクトなら:ハーブの香りをつけた真鯛の蒸し焼き ポテトのエクラゼと共に。 |
もうこれ以上の工夫が見つからないというくらい手がこんだ仕上がりは、ダイナミックな見応えとともに、一皿の中にたくさんの味わい所を作り出しています。フォークに乗せるパーツによって、めまぐるしく変わる味わいは、一口ごとの面白みを存分に魅せてくれます。
薪を積み上げた壁際の席。 |
でもその分、コンセプトの主軸になるワインは平均よりちょっとお安め。ここは、酒類の製造・販売を中心に事業を展開するオエノングループの直営店なので、その辺りのサービスが可能なようです。
次ページではカフェに戻って、満足感溢れる陽射しの中のデザートをご紹介します!