強さを数値化せよ!
将棋や碁ではその人の実力を「段」や「級」である程度判断できるようになっています。では他のゲーム競技でもこのようなシステムはあるのでしょうか?チェスやバックギャモンでは「レーティング(rating)」と呼ばれるシステムがあります。レーティングとは、プレイヤーのゲームの強さを数値化し、客観的に実力を判断する指標です。
日本バックギャモン協会から送られてくる機関紙には、例会・大会の対戦がレーティング戦として計算され、プレイヤーのランキングが掲載されている。 |
この時の動くポイントは対戦したプレイヤー同士のレートの差によって変動します。レートの高い(すなわち強い)プレイヤーが、レート低い人に勝っても少ししか点数がもらえませんが、逆にハイレートの相手を倒せばかなりポイントが貰えます。
競技やレーティングを管理している団体、サイトによりレーティングの算出方法が異なりますが、例えば双六屋が所属している日本バックギャモン協会では、会員として登録すると、プレイヤーは1300点のレーティングからスタートします。
世界中から尊敬を集めるグランドマスター
W・マーフィー&M・コクラン共著『グランドマスター』(早川書房) グランドマスターであり、スパイでもあるチェスプレイヤーを主人公とするSFアクションノベル。 |
さらに獲得したレーティングに応じての称号があり、その最高位はグランドマスター(通常はGMと表記。FIDEの授けた条件を満たし、かつ2500以上のレーティングをマークしたプレイヤー。終身称号)と呼ばれ、世界中のプレイヤーから大変な尊敬を集めます。
いつだって全力で戦うべし!
オフィシャルな大会はレーティング戦である場合がほとんど。プレイヤーはいつだって気が抜けない。 |
またレーティングによってプレイヤーのランキングが可能になるので、競技志向のプレイヤーにとっては、自分のスキルを向上させるための格好のモチベーションとなります。
例えばこんなところに自分の名を連ねられたら・・・ プレイヤー(チェス限定ですが)にとっては大変名誉なことでしょう。
FIDEの世界のチェスプレイヤー100傑
レーティング戦は、特にネット上での対戦に適しています。というか多くのゲームサイトでレーティングが採用されており、プレイヤーはそのサイトで戦っているだけで、自動的にレーティングを算出してくれます。
またオセロ、そして囲碁や将棋といった国内のクラシックゲームにおいてもレーティングを採用している団体・サイトが多くあります。
もっとも、すべてのゲームにレーティングがあるわけではありません。またハッキリと自分の実力を格付けされてしまうよりも、「お前は下手くそだな」「いや、貴様の方がダメプレイヤーだ」などと仲間内で減らず口を叩き合いながらゲームをするのもそれはそれで楽しいもの。
世の中やたら白黒つけるものが多い中、せめてゲームくらいあいまいなところを残したまま楽しむという姿勢も、もちろん大賛成です。