ヤクザ用語は花札用語なのか
ヤクザは花札用語?花札は裏社会との結びつきが!
花札はゲーム性も高く、面白い遊び方がいくつも存在するのですが、ヤクザ・任侠映画の影響かどうしても「賭博」というイメージが付きまといます。
が、といってそれがあながち間違いというわけでもありません。江戸時代など、花札は主に博打場において賭けの競技の1つであり、そこで生れた言葉とそこを仕切っていた恐い方々と密接に関係しているというのは当然なことです。
たとえば「ヤクザ」という言葉そのもの。これは花札のおいちょカブという遊びが語源です。おいちょカブは手札を合計し、その1の位を競うゲームです。最強は9(カブ)なのですが、8月のススキ、9月の菊、3月の桜が3枚が揃うと、一見、絵柄的には大変は華やかなのですが、しかしその合計は20となり、1の位は「0」なので最弱・最悪の手です。こうしたことから、「ハデだが世の中の役にはたたない」ということから恐い人たちをさす言葉になりました。
また誰かを無視するとき「シカト」するといいますが、これは花札の図案から来ています。札の中には鹿の絵で十点を表しているものがあります。この絵は鹿がぷいっと横を向いており、さながら人の呼びかけを無視しているようです。これから「鹿十(しかとう)」で「シカト」に転じています。
この他にも純粋には花札用語ではありませんが少々頭の血のめぐりがわるい人間を揶揄して「ボンクラ」などといいますが、これは漢字になおすと「盆暗」 盆は博打場のことであり、ここで目端が利かず負けてばかりの人間をさす言葉が一般語化しました。
もっともネガティブな言葉ばかりではありません。たとえば、優れた人やものを形容するのに「ぴか一」という言葉を使いますが、これは「光一」という花札の役の名前です。7枚の手札のうち、1枚だけ光り物(20点札)で残りがカス札ばかりの役なのですが、ここから他のものから1つ頭が抜けていることをこう呼ぶようになったのです。
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