チェスの原型は古代インドのチャトランガといわれます。これはサイコロも使用する4人制のゲーム。それが陸路、海路を経てヨーロッパにたどり着くこの道程で、運を排した二人対戦の純粋な知的格闘ゲームに洗練されて行きました。

チェスボードの8×8、64の枡目を宇宙に見立てることがありますが、古代から現代まで、チェスの天才達によって紡ぎ出された名勝負、研究書、エピソードを見ればそれは大げさな表現ではありません。



『チェス小百科』(有田謙二 河出書房新社)からトッププレイヤー頭脳がどれほどのものなのか、信じられないような逸話を2つ紹介しましょう。

アメリカのボビー・フィッシャーは過去に対戦したことがあるという記者に出会いますが、相手の顔をまったく憶えていませんでした。しかし記者がメモを片手に並べた盤をみるやたちまちゲームを思い出し、終局までの展開を再現して見せました。フィッシャーと記者が対戦したのは10年も前だったというのに! 

またベルギー生まれのコルタノフスキーは1960年のサンフランシスコでブラインドフォールド(目隠しチェス)で同時に56人と対戦して、50勝6分けという凄まじい戦績を残しています。



しかし現在のチェスプレイヤー最大の敵は… そうコンピュータです。

IBMはより速くより安定した演算力を開発するために、最強のチェスプログラムの作成に着手。標的になったのが史上最強のチェスプレイヤーと謳われ、今なお第一線で活躍するガルリ・カスパロフです。

1997年チェス界に衝撃が走ります。それまでIBMのコンピュータを何度も退けてきたカスパロフが、スーパーコンピュータ「ディープ・ブルー」についに敗れたのです。

「機械の計算力より人間の創造力の方が勝る」と多くの人々が考えていただけにそのインパクトは大きく、世界中のニュースで取り上げられました。

しかし2003年に入ってカスパロフは再びコンピュータとの戦いに挑みます。再戦相手はイスラエルのプログラマが開発したディープ・ジュニア。そして注目の結果は… 1勝1敗4引き分けのドロー 

人間VSコンピュータの戦いは今後も目が離せそうにありません。

【関連・参考サイト】

・日本チェス協会
・チェスリンク集(ガイドおすすめINDEX)


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