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クラシックゲームズ(1) 5000年の盤遊戯 バックギャモンの世界

伝統ゲームを紹介するシリーズその(1) ゲームの王様と称され、5000年もの歴史を持つバックギャモン。カエサルとクレオパトラが興じたといった歴史的エピソードから最新情報までその魅力を紹介。

執筆者:双六屋 カゲゾウ

バックギャモンの歴史は実に5000年。紀元前に栄えた王朝からの出土品にすでにバックギャモンの原型が発見されています。2つのダイスの目に従って15枚のチェッカーを使いゴールを目指すレースゲームです。



上の画像はある東京在住のプレイヤーが所有するバックギャモンボードですが、実はルイ・ヴィトン製。他にもダンヒルといった数多くのトップブランドがこぞって専用ボードを作成しています。このゲームにいったいどんな秘密が隠されているのでしょうか?


バックギャモンは運の要素もありますが戦略性が高く、無類の面白さから古代より人々を熱狂してきました。それは時の権力者とて例外ではありません。記述によればあのクレオパトラとカエサルがこのゲームに興じたとあります。また楊貴妃のパトロンであった玄宗皇帝には艶っぽいエピソードもあります。

皇帝に使える女官は4万人余り。一夜の戯れを選び出すだけでも大変な数です。皇帝はバックギャモントーナメント大会を開き、優勝者にその夜伽をさせたということです。


日本にも飛鳥時代には伝播しています。国宝でもある正倉院の宝物の中にバックギャモンボードが所蔵されていると聞いたら驚かれるでしょうか? 


正倉院所蔵「木画紫檀双六局」
(C)Copyright(C)2003 Imperial Household agency. All rights reserved.


有名な源氏物語や枕草子にもゲーム場面が登場しますし、徒然草にはその必勝法に触れている場面まであります。

バックギャモンの和名は「盤双六」。よく混同されてしまいますが、誰もが思い浮かべる「ふりだし」から「あがり」のあるあのサイコロゲームは正確には「絵双六」といいます。古典作品に単に「双六」や「雙六」と出てきたらほとんどがバックギャモンを指しています。

現在もバックギャモンの人気は不動です。フランス領内ある高級リゾートといえばモナコ。この最高に煌びやかなモンテカルロこそバックギャモン世界選手権の舞台です。コートダジュールに張り出したモナコグランドホテルがその会場。

毎年7月の第2週はバックギャモンウィーク。世界から集まったトッププレイヤーがワールドチャンピオンを目指して激突します。優勝賞金はおよそ1千万円。バックギャモンは「ゲームの王様」ともいわれます。歴史、エピソード、最高峰の舞台仕立て。どれをとってもking of gamesの称号に相応しいゲームといえます。

【関連・資料サイト】

・日本バックギャモン協会
・バックギャモン世界選手権(ガイド記事)
・バックギャモン(ガイドおすすめINDEX)
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※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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