上野の東京都美術館で行われている『大英博物館の至宝展』に足を運んできました。(期間 平成15年10月18日から12月14日まで)

世界に冠たる大英帝国のコレクションをこの目で観たいという学術的好奇心に居ても立ってもいられず・・・ というのは建前で真の目的はカード・ボードゲームガイドとしてここのミュージアムショップで売られているゲームを手に入れる為でした。

●大英博物館のゲームコレクションその1 ルイス島のチェスセット





700万点もの大英博物館所蔵品の中から、BBSがおこなった人気ベスト10ではこのルイス島のチェスセットが見事ランクイン! それもそのはず、世界中で大ヒットした『ハリー・ポッターと賢者の石』の一場面、クリスマスのシーンでこのルイス島のチェスで遊んでいる場面が出てくるのです。

実際の展示物の他にミュージアムショップではこのチェスの大小様々なレプリカが販売されています。原寸大のフルセットもありましたが、65000円と高額でとても手が出ません。キング、クイーン、ナイト、ビショップ、ヴォーダー(ルーク)の5体が入ったミニチュアセットを購入。1300円ナリ


パッケージの説明文によると、このチェスセットは1200年ころのスコットランドのルイス島で発見されたことからこの名前がつきました。材質はセイウチの牙と鯨の歯から削り出したもの。現存する93駒のうち、83駒が大英博物館に所蔵されています。


このチェスメン、実はもう一つ注目点があります。今回このレプリカの造形を手がけたのが数々の模型で有名なあの海洋堂。ゲームファンも歴史ファンも模型ファンも必須のアイテムかもしれません。

【関連サイト】

・大英博物館の至宝展 オンラインショップ
・おもちゃと本の専門店 百町森 オンラインショップ
・WEB限定ハリーポッターTシャツ(Tシャツガイド 久米さん【記事】)


●大英博物館のゲームコレクションその2 ロイヤルゲーム・オブ・ウル





ロイヤルゲーム・オブ・ウルは世界最古ボードゲームの一つで双六ゲームのご先祖様です。古代ウル王朝の出土品の中から発見されていますが、どれくらい昔のものかといえば『すごろく?』(増川宏一著 法政大学出版局)に詳しく説明されています。(以下青字は『すごろく?』からの引用です。)


『紀元前2600年頃のウルの繁栄と富裕を象徴するもので、古代世界で最も優美で精巧な細工の遊戯盤として知られている。』


これはもはや考古学の世界。数千年の時の審判を生き延びたゲームが目の前にあるというだけで感慨深いものがあります。中には宝石や美麗な模様で構成された豪華な盤もあり、歴史的遺産であると共に至高の芸術品です。



サイコロは立方体ではなく正四面体とユニーク。頂点に白い印があれば1、なければ0、4つ振って判定します。説明書にはウルの2種類の遊び方が載っていますが、他にもいろいろな遊び方があるようです。ところで皆さん疑問に思いませんか? なぜこれほど古いゲームの正確な遊び方がわかるのかと。その理由はといいますと


『大英博物館の所蔵するバビロン出土の粘土板に書かれた楔形文章を解読したところ、ウル遊戯盤の遊び方が書かれていることが判明した。』


バビロンの粘土板を解読! 下手な世界史の教科書を読むより、このボード眺めているほうが本当の歴史を感じることができるはずです。

ところでウルはボードゲームのみが販売されているだけで展示物はありませんのであらかじめご了承ください。ウルは大英博物館に1面、アメリカに1面そしてもっとも保存状態がよく美麗な3面は『イラク国立博物館』にあります。

イラクと聞いて危惧を抱いた方があるかもしれません。そう、今もって戦争で紛糾の渦中にあるあの場所なのです。

『バグダットのイラク国立博物館には幾つかの古代遊戯が所蔵されている。あるいは所蔵されていた、というべきかもしれない。米軍機の爆撃で国立博物館も被爆したと伝えられているからである。』


戦争は人や建物などに多大なるダメージを与えるのはもちろんですが、人類史上の生き証人である文化遺産まで破壊してしまうことを考えるとなんともやりきれません。

【関連サイト】

・『ウルの王墓の挑戦』 オンラインでウルを遊ぶことができます
・『盤すごろくの歴史』ウルのルールが説明されています。
・イラクに駐在する米兵には実はこんなゲームが配給されています。(記事)

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