新たに制定された「Z指定」

 
幼い子供には残虐なゲームは遊ばせたくない…というのは親のエゴでしょうか?
CERO(特定非営利法人コンピュータエンターテインメントレーティング機構)による家庭用ゲームソフトのレーティング制度をご存知でしょうか?

パッケージの前面にある「全年齢対象」などがそれです。

暴力的な表現、残酷な表現などが含まれるタイトルには「18歳以上対象」などと表記され、販売可能な対象年齢が明記されていました。

が、実際には購入自体は違法ではなく、「本当に18歳未満に不適切なソフトかどうかの審査が曖昧」だったり、「ショップが対象外の年齢に販売しても罰則がない」など実効力の上ではやや疑問を持たざるを得ない内容でした。

2006年5月30日、東京都庁で「テレビゲームと子どもに関する協議会」が開催され、18歳未満への販売が厳しく自主規制されるタイトルが明らかにされました。

結果11タイトルが18歳未満販売禁止の「Z指定」に指定されました。

東京都庁で行われた協議会でZ指定ソフト11本が明らかに! / ファミ通.com

この中で目を引くのはSimple2000シリーズの『お姉チャンバラ』でしょうか。

これはセクシーな水着姿のお姉さんが刀でゾンビを切りまくると言う、非常に狭い層に向けられたタイトルになっています。

審査の基準は「残虐な行為」「肉体的な破損」と言ったものだそうですが、おそらくある程度アダルトな表現もZ指定になるのではないでしょうか。

大人にも遊べるゲーム/大人こそ遊べるゲーム

 
犯罪を扱ったゲームはまだまだ多いのが実情。テーマが「正義」であるばかりでもなく、主人公が犯罪者として上り詰めていくようなストーリーはできれば子供には遊ばせたくないもの。
ゲーム機が驚異的な映像表現能力を得てから、大人のプレイにも耐えうる内容のゲームが増えてきました。以前のように棒が玉をはじくだけのゲームや、単純なキャラクターがアイテムを取るだけの簡単なゲームから、映画の中に入り込んでしまったように錯覚してしまうほどリアルな世界でプレイするシネマティックなゲームへと進化を遂げてきたのです。

そうして「大人にも遊べるタイトル」が増えてくると、今度は「大人しか遊べないタイトル」が現れてきました。その境目は「暴力表現」と「性的な表現」です。

その昔、『蒼き狼と白き牝鹿』というコーエーのシミュレーションゲームでは「オルド」というコマンドで子孫を作ることができ、少年の妄想をかきたてました。
また初代『ドラゴンクエスト』ではドラゴンからローラ姫を救った後に宿屋に泊まると「ゆうべはおたのしみでしたね」というメッセージが流れたのはあまりに有名な話ですね。

昨今のゲームではリアルな映像とのトレードオフで、そういったある種「記号的な表現」ができなくなってきました。多くのジャンルにおいて「写実的であることが美徳」という方向性が定まったように思います。

結果、『グランド・セフト・オート』シリーズのようにクライムムービー的なタイトルにおいては、プレイヤーが主人公を操作して犯罪に手を染めたり、またウォーゲームにおいては敵兵を射殺するのにかなりのリアリティーを感じるようになってきたのです。

これらのゲームを否定する気はまったくありません。優れたシステム、ストーリーで臨場感のあるゲームを楽しむことはとても贅沢な遊戯であるといえます。

ただ。
自分の子供が、実写と見まがうようなリアルな世界で、敵兵を無情に射殺したり、奪ったスポーツカーを疾走させて市民を轢き殺したり、綿密な計画を立ててマフィアのボスを暗殺したり…。
もしくは水着のくいこみまで判別できるような女性のキャラクターを操作している姿は、多くの親が見たくはないのではないでしょうか。

実際、このような「子供に遊ばせたくないゲーム」はまだまだ数多くあり、枚挙に暇がありません。

しかしCEROの審査で「Z指定」となったソフトはコンビニなどでは販売されないなど、従来に比べてかなりの制約を受けるようです。
ゲームの住み分けとして、「大人でも遊べるゲーム」「大人こそが遊べるゲーム」というのははっきりと区別して、大人だから楽しめるゲームが衰退しないように、かつ、子供があまり残虐なゲームで遊ばないようなゲーム社会が好ましいと僕は考えます。

そのための一歩として、今回のように「Z指定」と言った明確なレーティングは非常に有意義なものであると言えるでしょう。
どうか子供を持っている皆さんも、親の目でちゃんと子供に遊ばせられるゲームかどうかを判断してほしいものだと思います。

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