創業十七年の「高七」さん
実は以前からこの店に入ろうと思いながら、なかなか入れないでいた。食事を済ませたあとから通ることが多かったのだ。それで、今回はこのお店を最初からめざしてやってきた。天ぷらの「高七」さん |
場所は、職安通りをまっすぐに、都営大江戸線の若松河田町駅を通り過ぎる。ちなみにこの駅までの道は団子坂といったそうだ。有名なのは千駄木の団子坂だが、こちらのは、もともと道がぬかるみ団子坂の土が団子のようになり歩きにくかったとある。この坂をのぼり、若松町の交差点までくると、早稲田方向に行く「夏目坂通り」へ進む。すると、左側に「高七」さんがある。
天ぷら定食
店内はこぎれいで、カウンターに座る。お昼のメニューというのがあり、そこに「天ぷら定食」750円というのがあったので、それを注文してみる。「創業明治十七年 現在、五代目 頑張ってます」と書かれた色紙が見えた。この場所で創業したのか聞いてみると、ここではなく日本橋だそうだ。ここにやってきたのは戦後のことだという。「天ぷら定食」750円はお得だ |
出てきた定食を見て驚いた。けっこう豪華な天ぷら定食である。ご飯や味噌汁、香の物など、どれも実においしい。これで750円というのはかなりお得であろう。
おいしかった胡瓜の天ぷら
写真でいちばん手前の緑色の天ぷらは「胡瓜の天ぷら」だそうだ。変わってると思っていると、その隣は大根だそうだ。胡瓜は天つゆで、大根は塩で食べるといいと言われ、その通りにしたが、これが実においしい。想像していたのとは少し違い、きちんと歯ごたえがあって、たしかに胡瓜だ。しかしそれはまったく新たに感じる食感である。これはカルチャーショックだ。
創業が明治十七年というから、昔からの味をそのまま守っているのかと思ったら、大違いで、実に新しい。ちょっとうかがってみたら、なにひとつ先代からは引き継いでいないとおっしゃる。「油も昔に比べれば、今はいいものがあるから」と五代目はおっしゃる。
いくらでも食べられる天ぷら |
「日替わり定食」というのがあって、この日は「天ぷら定食」にホタテの天ぷらがつくのだそうだ。こちらにすればよかったと少し後悔。というのも、ここの天ぷらは軽くていくらでも食べられそうなかんじなのだ。
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神田川を渡って目白台へ歩きます