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ソメイヨシノ発祥の巣鴨、駒込界隈を歩く(4ページ目)

桜の品種としてよく聞くのがソメイヨシノ。江戸時代に染井村(現在の豊島区駒込)で生まれたよ言われている。というわけで、桜の開花前、発祥地界隈を歩いてみた。

増田 剛己

増田 剛己

散歩 ガイド

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染井霊園を歩く

現在は広大な墓地になっている染井霊園は、かつて播州林田藩建部の屋敷であった。
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染井霊園の入り口

明治になって、公共の墓地の必要性に迫られた政府がこの場所に霊園を作った。
このあたりがソメイヨシノの発祥とあって、霊園内には100本もの桜の樹がある。

咲けばきれいだろう桜たち

都内の多くの桜はいっせいに咲き、また、いっせいに散る。なぜかといえば、ソメイヨシノは、接ぎ木で育てるからである。つまり、ソメイヨシノはすべてクローンというわけだ。この霊園にも多くの桜の樹があるが、まだ花は咲いていない。
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開花時期になれば見事な花をつけるであろう桜の樹

この霊園をまっすぐ抜けると、専修院というお寺がある。ここが伊藤伊兵衛の屋敷があった場所だ。この伊藤伊兵衛というのは、代々同じ名前なのだが、もともとは藤堂家おかかえの植木屋であった。今では想像つかないが、藤堂家に限らず、多くの大名家は庭を造ることが、ひとつのステイタスであり、そこには多くの植木職人たちが出入りしていたのだが、その中でも有名なのがこの伊藤伊兵衛であった。いつしかこの一帯には多くの植木職人が集まるようになり、今回持参した江戸の古地図にも「此辺染井村植木屋多シ」とある。ここで、ソメイヨシノは誕生した。

さあ、次ページでは

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