大森駅周辺は緑が多く、歩きやすい
緑あふれる大森駅周辺。 |
どうしよう、どこへ行こうか。
と、海老フライが食べたくなった。「エビフライ」ではなく「海老フライ」なのだ。
そうだ、大森へ行こう。たしかあそこには古い洋食屋があったはずだ。
そういえば、最近読んだ井伏鱒二の「荻窪風土記」にこんなくだりがあった。
井伏鱒二が荻窪に住むことになった昭和になったばかりの頃の回想である。
新宿郊外の中央沿線方面には三流作家が移り、
世田谷方面には左翼作家が移り、
大森方面には流行作家が移つて行く。
大森に住めば自分も流行作家になれるかしら。
とはいえ、ここでいう「大森方面」というのは、
かつてあった大森区のことで、馬込文士村と呼ばれた場所である。
そちらは別に機会に散策しよう。
ちなみに大田区というのは、戦後「大森区」と「蒲田区」がいっしょになり、
その「大」と「田」をとって大田区となった。安易なネーミングである。
かつては花街だった大井
公園や街路樹が多い。ベンチやトイレもたくさんある。 |
間違えて、小銭入れを2つ持ってきたのだ。
どうしようか。家に戻ろうか。とにかく小銭をすべて出して計算すると1500円ほどある。うーん、なんとかなるだろう。
そんなことをしているうちに電車はJR大森駅に到着。東口を降りると、街の緑の多さに驚かされた。
ちょっと歩けば線路沿いにも街のあちらこちらに公園があり、実に緑が多い。
天気もいいし、こういう街は歩いているだけで気分がいい。
まるで普通の住宅のような「洋食入舟」
ちょっと見た目にはわからない「洋食入舟」。 |
住所をたよりに「洋食入舟」を探す。
品川区南大井3丁目というのは、かつて花街のあったところだ。
芸妓置屋、待合、料亭などがあり、華やかなところだったのだろうけれど、今はごく普通の住居や商店がある地域となっている。
ある意味、この「洋食入舟」はその名残といってもいいようお店である。
しかし、そのお店がみつからない。たしかこのあたりなのだが…。
同じ場所をぐるぐる回っている。と、発見。
なんとごく普通の住宅のようなところであった。
というわけで、「洋食入舟」の海老フライは次ページで!