これが復活した「山岸大勝軒」の「もりそば」だ!
もちもちした麺がうまい! つるつると入っていく。これが「東池袋大勝軒」の「つけそば」700円 |
「大勝軒」を名乗る店はどこも麺の量が多い。東池袋大勝軒の店主である山岸一雄さんが以前テレビの取材で答えていらっしゃったことがあったが、昔は量が多いというのが「ごちそう」であったのだということだ。
なるほど、食券の自販機の前に書かれているのは並盛りで340グラム、これで他店の大盛りくらいなのだそうだ。中盛りは550グラム、大盛りはなんと800グラムなのである。しかし、量が多いというだけではなく、これが旨い。和風だしにシコシコの麺は、つるつる食べられる。
到着したのは11時前だが、並ばずに店内に入ることができた。味は以前と変わらないというか、以前よりおいしくなっている気がした。
店の前に座る山岸一雄さん
店の前に陣取る山岸御大。一部ではラーメンの神様だと言う人もいるほど。多くの人たちに愛され、慕われてきた山岸一雄さん。現在、お店は後進に譲っている。 |
旧店舗は、山岸氏の健康上の理由や東池袋一帯の再開発により、2007年3月に閉店を余儀なくされたのは、前の記事でも書いたのだが、その後、多くのファンや地元の要望により、再び店を開くことになった。2008年1月の再オープンは長い行列ができることとなった。
「もりそば」を食べ終え、表のいる山岸さんにご挨拶をし、写真を撮らせてもらう。遠くから見ることはあったが、言葉を交わすのは初めてだ。
「以前と変わらず、おいしかったですよ」そう告げると、「味を変えないように若い者にもよく言っているんですよ」と、山岸さんはニコニコしながらおっしゃる。とても暖かいお人柄である。気さくに写真撮影にも応じていただいた。味もさることながら、愛される理由はこのお人柄なんだと感じる。
店を離れ、以前の店舗のあった道路の反対側に行ってみる。大きなビルが建ち、かつての東池袋大勝軒のあったところは、道さえなくなっている。再開発は江戸時代から続く道そのものを無くしてしまう。だからこそ、いま歩いておかなければという思いが強くなった。
ふと、道を隔てた東池袋大勝軒あたりを見ると山岸さんがこちらに手を振り、おじぎをしている。なんだか熱いものがこみあげてきた。