散歩/昭和を振り返る散歩ルート

築地~月島~森下、昭和ノスタルジー散歩(2ページ目)

東京に残る昭和の残像を求めて、築地から月島、そして、のらくロードのある森下まで足を伸ばしてみました。今も人が暮らす、昭和の風景を見ながらの散歩コースです。

増田 剛己

執筆者:増田 剛己

散歩ガイド

勝鬨橋を渡り、昭和の町並みを探すが……

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勝鬨橋からの景色はまさにウォーターフロントを実感できる眺め
晴れていた空が少し曇ってきた。晴海通りに出て、隅田川にかかる勝鬨橋を渡る。このアーチ型の橋が完成したのは昭和15年(1940年)。かつてこの橋は、船を通すため橋が開閉した。しかし、昭和45年(1970年)を最後に開くことをやめてしまったのだ。歩いて見ると、真ん中くらいのところで、足音が変わる。このあたりが開閉していたのだとわかるだろう。橋を渡ると住居表示は「勝どき」になる。

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なんと求めた住宅街は今まさに取り壊されん瞬間……
僕たちは地図を見ながら、昭和の風景を探した。

「たしかこのあたりなんですけど」

Eくんがそう言うあたりを見ると、路地が閉鎖され、工事関係者が行き来している。フェンスの隙間から見えた家は古い木造住宅である。物干し台がある、長屋のような家だ。まさに、昭和が消える瞬間だ。このフェンスはかなり広い範囲に渡っていて、すでにほとんどは取り壊されているようだ。きっと大きなビルが建つのだろう。

さて困った。どうしよう。今回の散歩はこのあたりの路地を歩こうかと思っていたのだが…。まあ、近くだと月島があるか。というわけで、月島へ行くことにする。

ノスタルジーあふれる月島の裏路地

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木造の2階建ての家屋が連なる月島の路地
Eくんは、月島に来るのは初めてだと言う。西仲通り商店街に並ぶもんじゃ焼き屋さんの数に驚いている。

ちょっと路地に入ると、驚くほど昔の民家が多数ある。二階建ての長屋タイプのもので、掃除が行き届き、花や植物の鉢植えなどが置かれている。散歩するのが楽しい路地だ。そして、二階部分には小さな物干し台があり、そこには洗濯物が干されている。まさにここは人が住んでいるのだ。お邪魔にならぬように路地を歩く。

昭和をめぐる旅は、のらくロードへ

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のらくろだらけの「のらくろ~ど」
さて、月島からどこへ行こう。今回は昭和の散歩だ。昭和といえば、「のらくろ」かなぁ、と安易な発想で「のらくろ~ド」へ向かうことにする。月島からだと清澄通りをまっすぐである。

門前仲町を通り過ぎると深川に差し掛かる。「たかばし」という橋を渡る。しばらく歩くと「高橋のらくろ~ド商店街」がある。「のらくろ」の作者である田河水泡氏が同地にかつて住んでおり、ここに「のらくろ記念館」などができたので、この名前がついたのだそうだ。もともとは高橋商店街で、さきほどの橋の名前どうよう、読み方は「たかばし」と濁点が入る。震災で被害が少なかったこともあって、この地に商人たちが移ってきたそうで、昭和の初期は、夜店街といわれ、当時では珍しく夜も明るい商店街だったそう。漫画「のらくろ」もそんな時期、昭和6年(1931年)に講談社の雑誌『少年倶楽部』で連載が開始された。今、この商店街は「のらくろ」の絵や看板がお客さんを迎えてくれる。

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1個買って食べてみた。鯛焼き150円
さらに、清澄通りをまっすぐ行くと森下の交差点がある。都営新宿線、大江戸線の駅だ。ここで終点にしよう。

と、交差点のところに鯛焼き屋さんがあった。鯛焼き専門店というわけではなく、おにぎりも売っているようだ。店のたたずまいが、まったく昭和である。名前は「浪花屋」とある。電話番号が看板に書かれているが局番は4桁ではなく3桁だ。焼いているところを見ることができる。1尾1尾手焼きのようだ。1尾150円。買ってみる。あんこは甘くなくて、小豆の味が濃い。おいしいなぁ。昭和の味……なのかな。好きな鯛焼き。また戻ってもう一尾買う。地下鉄の駅へ降りていく途中、歩きながら食べた。甘すぎないからいくつでも食べられそうだ。

PASMOをかざして改札に入る。これは昭和ではなく、平成だ。
勝ち鬨から月島で昭和の名残に心を和ませつつ、森下まで幾多の橋を越えていく強行軍




<関連リンク>
ザ・築地市場 ホームページ
築地場外市場
ぐるなび - 築地 海宝館 勝鬨寿し 総本店
勝鬨橋 - Wikipedia
中央区月島西仲通り商店街公式ホームページ
高橋のらくろ~ド
たい焼き - 浪花家 - livedoor?東京グルメ
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