門前仲町。「もんなか」と親しまれた街

夕暮れせまる深川不動尊。屋台が並び、自然と気分も高揚してくる
次回の散歩をどこにしようかと思い東京の縁日を調べていると、Nくんがいとも簡単に

「門前仲町(もんぜんなかちょう)に行きましょうよ」

と言った。ああ、そうか、それを忘れていた。門前仲町は、江戸時代から深川不動尊・富岡八幡宮・永代寺の門前町として栄えてきた場所だ。なんで思いつかなかったのかと悔しがる僕にNくんは、

「昔、住んでいたんですよ」

とさらり言う。

提灯は昔あったものが、そのまま今に使われているのではないかと思わせるほど雰囲気がある
Nくんと僕は終戦記念日の前日、8月14日の夕方、地下鉄東西線門前仲町駅から地上にあがったところで待ち合わせた。駅前の永代通りには、提灯が並んでいる。普通の商店街でも提灯は見かけるが、ここの提灯は昔あったものが、そのまま今に使われているのではないかと思わせるほど、雰囲気のあるものだった。提灯には正面に墨文字でこう書かれている。

「江戸最大の八幡様 富岡八幡宮」

さらに横には

「縁日 一日 十五日 二十八日」

とある。きょうは縁日ではない。が、きょうはお盆である。かなりの人出がある。露店も出て賑わいを見せているのだ。浴衣を着た若い女性たちがいる。こういう風景を見ているだけで、夏の散歩の楽しさがあるのではないかと思う。

そして、子供達の嬌声なども聞こえる。子供たちはお祭りで興奮している。僕も久しぶりに夏祭りの興奮を感じた。門前仲町のことを「もんなか」と呼ぶが、まさに町全体が、一年のうちでも最高に盛り上がれる時期を迎えている。

門前仲町から八丁堀まで、普通に歩けば1時間もかからない。ハイライトは永代橋から眺める隅田川。夜は夜景が美しく、昼は遊覧船の往来を眺めるだけでも楽しい