散歩/江戸風情を探す散歩ルート

街道の起点、日本橋~品川 鯛焼きの散歩3(5ページ目)

昔の人に習って、東海道の起点である日本橋から品川まで歩く。日本橋では親子丼、鯛焼きを食べ元気に歩き始めたのだが…。しかし、昔の人はえらいなぁ……。

増田 剛己

執筆者:増田 剛己

散歩ガイド

高輪から品川へ

地下鉄の大門駅を越えたあたり。昔はここから海が近かったのだ
しばらく歩くと、いきなり石碑が出てくる。「西郷隆盛 勝海舟 会談の地」とある。ああ、ここだったのかと驚いた。江戸城を無血開場させたという、勝と西郷の会談はもう少し品川よりかと思っていたのだが、地下鉄の大門駅を越えたあたりにあった。

こんなに江戸城に近いところで会談が行われていたのだ。なんでもここは薩摩の蔵屋敷のあった場所で、このすぐ裏は海だったそうだ。

さらにそこに建っていた説明看板を見ると、落語「芝浜」の舞台となった芝の海もこのあたりだったそうである。主人公が、この浜で大金の入った革財布を拾ったことでストーリーが展開していく。落語に出てくる増上寺もすぐそこだ。

高輪大木戸跡。今は、ひっそりと往時の面影を残す石垣のみが残る
舗道にいきなり現れるのが「高輪大木戸跡」である。ここに木戸があり、朝あけられ、夕方には閉められたのだ。この説明が期によれば、四谷大木戸は、実際に当時の姿はないそうで、木戸としてそのまま一部が残っているのはここだけのようだ。そう思うと感慨深い。が、そこに自転車が立てかけられていて、なんだか現在もそのままに存在しているのが、不思議な感覚。

そして、ああ、このあたりで旅人は提灯を消していたのかと当時がしのばれた。

高輪あたりまでくると品川はもうすぐである。Nくんとは品川駅まで歩こうとがんばる。しかし、実際のところ、昔の品川宿というのは、今、駅がある辺りよりもまだ先なのである。さすがにそこまで歩く元気はない。

今回は、けっこう疲れた。ああ、また鯛焼きが食べたくなったが、品川駅にはそれはなく、喫茶店に入り、コーヒーとケーキを注文。疲れた体に甘いものはおいしい。
日本橋から品川まで。第一京浜をひたすら南下する散歩。約8キロ。江戸時代の人の逞しさを実感するコース設定。健脚じゃないと、ややつらい



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東京名物 四谷たいやき わかばのホームページ
東京鯛焼き御三家巡り
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