散歩/和む散歩ルート

早稲田でワンコインのランチをいただき、梯子坂へ歩く(2ページ目)

散歩の第一歩はご近所を歩いてみることだ。いつも歩いている方向とは違う方向に足を進めてみよう。そこには意外な発見があるかも。

増田 剛己

執筆者:増田 剛己

散歩ガイド

大久保の犬屋敷を抜け、ついに梯子坂に

(上)団子坂 (下)梯子坂 早稲田界隈には多くの坂が存在する
通り過ぎると少し坂になっていて下る。ここは団子坂と呼ばれているらしい。右側のマンションの横のちょっとしたスペースに「大久保の犬屋敷跡」という新宿区教育委員会が立てた説明文を見ることができる。

それによるとこのあたりには元禄時代に犬を収容した屋敷があったのだそうだ。犬公方と呼ばれた徳川綱吉の時代、ここにいた「お犬様」は10万匹もいたのだそうだ。

再び道は上り坂になり、上りきったところの左側に抜弁天がある。そこを通り過ぎ、右に曲がる小道を抜けると梯子坂がある。予想通り、その坂は急で、梯子のようだ。説明書きの杭にもそう書かれていた。坂の下には銭湯がある。その前に老婦人が2人、座っておしゃべりをしている。開くのを待っているのだそうだ。趣のある風景だ。

ひっそりとたたずむ小笠原伯爵邸

あまりにひっそりとたたずむ小笠原伯爵邸。中は静謐な空気が漂う。築75年のその洋館は、他では真似のできないウエディングも提供している
職安通りを少し戻る。道を前から気になっていた建物がある。古い大きな洋館で、お休みの日に青春出版社にくると、よくここで結婚式などが行われていたことを覚えている。

ただし、以前は塀か生垣かわからなかったが、その全貌はよくわからなかったのだが、最近はそれらが取り払われて、建物全体がよくわかるようになっている。Nくんが「それは、小笠原伯爵邸ですよ」と教えてくれた。

前まで行ってみると、レストランで、コーヒーなども飲めるようだ。ここで一休みすることにした。

中に入ると、驚いたことにかつて、伯爵たちが住んでいたそのままの形で建物が残されているということだ。案内の女性がいくつものドアがある廊下を通り、ひとつのドアを開けるとそれまで薄暗かった廊下にさっと陽が差し込んできた。そこは中庭であった。この中庭でコーヒーが飲めるのだ。

建物は昭和初期に建てられたそうだ。昔の貴族の世界にタイムスリップしたような感覚になる。近所にこんな建物があったのかと、なんだか感動。今はネットで何でも調べられるけれど、やはり実際に歩いてみないとこういう出会いの感動はないんだなぁと思った。

さあ、みなさんもまずは近所を歩いてみませんか。



【参考までに 今回の散歩ルート】
早稲田から夏目坂をのぼって、職安通りへ。ずっとまっすぐ行けば、抜弁天。そこまで行けば、梯子坂をもうすぐ

<関連リンク>
小笠原伯爵邸
東京23区の坂道
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