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メジャーと日本プロ野球、縮まるその「差」(2ページ目)

最近よく聞かれることは、メジャーリーグと日本のプロ野球との差だ。日本人メジャーリーガーの活躍で、その差がグッと縮まった感がある。はたしてその理由は―

瀬戸口 仁

執筆者:瀬戸口 仁

野球・メジャーリーグガイド

「考え方」こそ、取り組み姿勢の源泉

しかし、両者を一番近づけた理由は、野球に対する「考え方」(取り組み方)に違いがなくなってきたことにある。かつて、といってもそんなに昔の話ではないが、両者の間でキャンプの意味合いに大きな隔たりがあった。メジャーリーグでのオフは1人でできるトレーニングを全てやり、キャンプ(スプリング・トレーニング)は1人でできないことをやる場となる。

つまり、完璧に体を作ってキャンプに臨むため、初日から投手はブルペンで全力投球ができ、打者はフリー打撃でガンガン打ち、試合もすぐにできるのだ。ところが日本のプロ野球はそうではなかった。キャンプの第1クール、へたをすれば第2クールまで全力で野球ができない。明らかにオフでのトレーニング不足で、それでも開幕に間に合えばいいという考え方だった。それが最近、オフでも計画的なトレーニングを続け、栄養に気を使った食事を摂り、体調管理ができるようになった。菊池雄星投手が初日に86球投げられたのは、オフのトレーニングを疎かにしなかった証拠であり、「考え方」がメジャーに近づいた証拠でもある。

ヤンキースのデレク・ジーター遊撃手は、シーズン(プレーオフを含む)が終わって少し休むだけで、すぐにニューヨークからキャンプ地であるフロリダ州タンパのセカンドハウスに飛んで、トレーニングに入る。ある時、「少しは休んだらどう?」と聞いたことがある。すると彼は「我々はユニホームを着ている間はオンしかないんだ。ユニホームを脱いだら(引退)、いやでもオフになるんだからね」と答えた。この「考え方」が素晴らしいプレーを生み、1年でも長く現役を続けられる原動力と確信した。
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