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大いなる物体、ランディ・ジョンソン引退。(2ページ目)

ランディ・ジョンソンが1月5日(日本時間6日)、電話会議を通じて引退を表明した。メディア嫌いということもあり、なんとも近寄りがたかったが、残した功績は多大だった―。

瀬戸口 仁

執筆者:瀬戸口 仁

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制球難を武器にした野球人生

160キロを超えるストレートに2種類のスライダーとフォークが武器だったが、最大の長所は、それらをサイドスローに近いスリークォーターで投げることだった。長身の上に長い腕から繰り出される球、とくに高速スライダーは、左打者にとって背中越えに投げ込まれる感覚で、これ以上怖い球はない。しかも、もともとコントロールが悪く、時々本当に当てるため、その怖さは倍増する。ジョンソンは、エクスポズ時代の投手コーチだったジョー・ケリガン(後にレッドソックス監督)やトム・ハウス氏(元レンジャーズ投手コーチ)らの指導により制球難を克服したが、制球難だったことを最後まで武器にしていた節がある。短所を長所に変えた典型だったかもしれない。

輝かしい実績と強烈な印象で一時代を築いたジョンソンだったが、「こんなにも長く野球ができるなんて思いもしなかった」と振り返る。46歳まで投げられたひとつの要因として、体調管理に細心の注意を払い、とくに「体幹」を鍛えるトレーニングを重視したことが挙げられる。ジョンソンを参考にして、同じトレー二ングを取り入れ、やはり46歳で現役を続けているのが、今年から西武に復帰した工藤公康投手だ。「過酷なメジャーの先発で22シーズン投げきったのはすごい。野茂が10シーズンでも化け物と思ったのに、おれからしてみたら(ジョンソンは)スーパーマン。彼の努力があそこまでさせた」と敬意を表し、今度はジョンソン超えをする番となった。

数々の名場面をファンの脳裏に残した「ビッグユニット」。同時に1年でも長く現役を続けるヒントも多く残してくれた。
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