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女子プロ野球選手は誕生するか?

徐々に増えつつある女子野球選手がたびたび話題になる。では果たして漫画『野球狂の詩』に登場する、水原勇気のような女子プロ野球選手が誕生する可能性はあるのだろうか?

執筆者:コモエスタ 坂本


徐々に増えつつある女子野球選手がたびたび話題になる。では果たして漫画『野球狂の詩』に登場する、水原勇気のような女子プロ野球選手が誕生する可能性はあるのだろうか?

はじめに


硬式野球をプレーする女子選手が増えている。2001年には国際女子野球連盟が、2002年には日本女子野球協会が発足し、2001年から世界女子野球大会もスタートした。

日本の高校野球において、女子選手は未だ公式戦出場はかなわないものの、大学野球では2006年から愛知大学野球リーグの5部に中京女子大学が加盟した。社会人野球では、茨城ゴールデンゴールズの片岡安祐美内野手が人気だ。

そういった状況下で、人々が常に期待と好奇心を持って語られる話題がある。それは「女子選手はプロ野球に入れるか、通用するか」ということだ。本記事では、その可能性を検証していきたい。

女子選手における「9割の壁」


女子スポーツ選手の記録を男子選手のそれと比較した場合、よく言われるのが「9割の壁」だ。多くの競技において、女子選手のトップレベルは男子選手の9割程度に収束されていることが知られている。

この原因は、男女の体質的な性差に基づく。一般に女子選手は柔軟性・疲労耐性などは男子よりも高い傾向を示すものの、筋肉量は60~80%程度に留まり、パワーに劣る。「9割」という話はまた、男女の寿命を考えてもうなづける話である。平たく言えば、男性は女性よりも1割増しのパワーを持っている代わりに、1割寿命が短い生き物だということだ。

男女の記録が最も行き着いている(収束値に近い)競技で、比較をしてみよう。その一つは陸上競技である。陸上競技は練習場所・道具などのコストが低く、競技方法もシンプルなため、人間の能力限界値を比較的反映しやすいものである。

陸上競技の一つ、100m走で考えると、最初に女子選手が活躍し始めた1920年代には、女子選手の記録は男子の75%ほどだった。その後、女子の記録は向上し続けたが、1980年代にはおおむね90%程度に収束している。

では次で、各種競技のデータを細かく比較してみよう。

【各種競技記録の男女比較】→
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