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【MLB】ボストン・レッドソックス超入門(3ページ目)

ポスティングで松坂大輔の交渉権を得たボストン・レッドソックスはどんなチームか? その歴史からチームカラー、松坂の今後、戦力分析などをまとめた。

執筆者:コモエスタ 坂本

2004年のワールドシリーズ制覇


レッドソックスでまだ記憶に新しいのが、2004年のワールドシリーズ制覇だ。
この年のワールドシリーズは、ナ・リーグを圧倒的な強さで勝ち抜いてきたセントルイス・カージナルス(田口壮が所属)との対戦だった。

カージナルスはシーズン中から投打ともに死角がなく、その安定感からワールドシリーズの大本命と目されていた。対するレッドソックスは、ア・リーグ優勝決定戦の死闘を勝ち抜き、負傷者などの不安材料も多かった。それだけに、カージナルスがレッドソックスに4連敗のスイープを喫したことは、結果だけ見れば意外ではあった。

しかし、レッドソックスのドラマはワールドシリーズ前、ニューヨーク・ヤンキースとのア・リーグ優勝決定戦(ALCS)こそにあった。4戦先勝制のALCS、初戦から三連勝したのはヤンキースだった。もはやヤンキースのリーグ優勝は堅いと思われ、4戦目以降は「いつ決まるか」という状態だった。

しかし、4戦目の終盤、一つのプレーが流れを変えた。3-4とレッドソックスが1点ビハインドの9回裏、代走で出てきたデーブ・ロバーツ(沖縄出身で、母が日本人のハーフ。2006年はサンディエゴ・パドレスに所属)が二盗を決める。盤石と思われたヤンキースの守護神、マリアーノ・リベラはリズムを崩し、ビル・ミューラーに同点タイムリーを浴びる。

試合はまだ決まらず延長戦に突入するも、デビッド・オルティーズが劇的なサヨナラホームランを放ち、レッドソックスがやっと1勝目を手にする。
(この試合は個人的に、2004全世界野球におけるベストマッチと思っている。この年のもう一つのベストマッチが、アテネ五輪決勝のキューバ×オーストラリア戦だ)

第5戦も第4戦のリプレイのようで、終盤に追いついたレッドソックスが延長の末、オルティーズのサヨナラタイムリーで2勝目を挙げる。これでもまだ3勝2敗とヤンキース有利なのだが、第6戦はかかとを負傷していたカート・シリングが状態の危ぶまれる中、先発して「血染めの投球」でヤンキースを下す。

これで完全にレッドソックスのものになった流れの中、7戦目もヤンキースに勝利してア・リーグチャンピオンを勝ち取り、その勢いでワールドシリーズも制覇してしまった感がある。第4戦の9回裏に訪れたターニングポイントで、レッドソックスにコペルニクス的転換が起き、それ以降は雪だるま式に8連勝(4連勝+4連勝)してしまったのだ。

かくして1918年以来、86年ぶりのワールドシリーズ優勝を遂げたレッドソックスは、長らく続いていた「バンビーノの呪い」から解放されたのだ。

【バンビーノの呪い】→
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