課題となる本田圭佑の融合
オランダ遠征から持ち越されたテーマの主人公も、アウトサイドを主戦場としている。オランダリーグで活躍する本田圭佑だ。岡田監督の起用法から判断すると、現状では「中村俊の控え」というのが本田の立ち位置だ。中盤右サイドの2番手である。中村俊、長谷部誠、内田篤人が構成する日本代表の右サイドは、攻撃の「核」とも言うべきトライアングルだ。簡単にはいじれないのである。本田のスタメン起用に岡田監督が慎重なのは、そのあたりにも理由がありそうだ。
ただ、本田自身が「全然違うタイプだと思っている」と話しているように、中村俊と本田は同タイプではない。長短のパスを織り交ぜてゲームをコントロールし、決定的な仕事もするのが中村俊なら、本田は相手のペナルティエリア周辺でひときわ力を発揮するタイプだ。「中盤右サイドの二番手」で本田を落ち着かせてしまうのはもったいない。ピッチ上での融合を今後も探っていくべきだ。
中心となる舞台は「アウトサイド」
「ここまではチーム全体の強化に重点を置いてきましたが、ここからは色々な状況に応じて対応できる層の厚さ、または状況に応じた選手の発掘、たとえば残り10分でどうしても点を取りたいとき、あるいは下がってゴール前を固められているときにサイドを破る選手というように、特徴のある選手を探していかなきゃいけないと思っています」10月1日に行なわれた記者会見での、岡田監督のコメントである。「色々な状況をシミュレーションしながら、新しい選手を試すことも考えている」と指揮官が話す10月の3試合は、「選手の頑張り以上に重要な『3つ』の交代枠」でも書いたように、攻撃のオプションの見極めがメインテーマとなる。その中心となる舞台が「アウトサイド」だ。