埼玉スタジアム2002で行われた日本vs.シリア戦は3-0で日本が勝利。北朝鮮戦に向けて国内組の仕上がりはまずまず。レポートは元川悦子さん、ジーコ監督・各選手のコメントもどうぞ。

<INDEX>
●1P目 シリア戦 前半
●2P目 シリア戦 後半
●3P目 試合後のジーコ監督コメント
●4P目 試合後の選手コメント

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連携高めた国内組だが、物足りない一面も。
シリア戦で明確になったもの

「今まで国内組だけでずっとやってきて、連携面もかなりスムーズになってきた。このままやればもっとよくなると思う。北朝鮮戦にも出たいけど、決めるのはジーコ。自分は頑張るしかない」とダメ押しゴールを決めた小笠原満男(鹿島)は淡々と言った。2006年ドイツワールドカップアジア1次予選でバーレーンを最後まで苦しめたシリア戦では、ボールを奪ってからの鋭いカウンター、サイド攻撃などいい部分を数多く出した日本。彼らの完成度が高まっていることも明確になった。

その一方で、引いた相手をポゼッションで崩しきれないという厳しい現実も露呈した。長い最終予選を戦っていくには、やはり中村俊輔(レッジーナ)や小野伸二(フェイエノールト)のような1人で変化をつけられる個性が必要だ。この現実をジーコ監督はどう受け止めているのだろうか……。

「キリンチャレンジカップ2005」日本代表対シリア代表のゲームが2日、19時30分から3万2832人の観衆を迎えて埼玉スタジアムで行われ、鈴木隆行(鹿島)、宮本恒靖(G大阪)、小笠原のゴールで日本が3-0で快勝。1週間後に迫った2006年ドイツワールドカップアジア最終予選初戦・北朝鮮戦に向けて、いい弾みをつけた。

今シーズン最高の寒波が襲ってきた日本列島。前日練習時も強烈な寒さに見舞われた埼玉スタジアムだが、この日も気温は上がらず、キックオフ時は5.2度という寒さ。試合を見ているだけでも辛い気象条件だった。とはいえ、今回は北朝鮮戦前最後の国際Aマッチとあって、気の抜けた試合はできない。ジーコ監督がピッチに送り出したメンバーは、GK川口能活(磐田)、DF田中誠(磐田)、宮本、中澤佑二(横浜)、ボランチ・福西崇史(磐田)、遠藤保仁(G大阪)、右サイド・加地亮(FC東京)、左サイド・三都主アレサンドロ(浦和),トップ下・小笠原、FW鈴木、玉田圭司(柏)。

1月30日のカザフスタン戦からは松田直樹(横浜)と宮本が交代しただけだった。宮本は先週まで右太ももに違和感を訴えて別メニューだったが、その回復具合が注目された。対するシリアは3-4-2-1。キャプテンマークをつける攻撃的MFのサイド、1トップのラフェらが主力である。

シリアは1次予選でバーレーンをぎりぎりまで追い詰めているだけに、カザフスタン戦のような展開にはならないと思われた。実際、蓋を開けてみると予想はズバリ的中する。前半の日本はシリアのタイトなマークに苦しんだ。彼らの激しさを逆利用し、立ち上がりの3分には遠藤がペナルティエリアに突進してファウルを誘ったが、無情にもシミュレーションの判定を取られてしまう。実はこの主審は昨夏のアジアカップ(中国)準決勝・バーレーン戦で彼を一発退場させた人物だったのだ。「今日はダメだと思った」と遠藤本人も苦笑いするしかなかった。

このプレーで自信を持ったのか、シリアの体を張ったディフェンスはその後も続く。鈴木と玉田の2トップを自由にさせず、攻撃面でも高い技術を生かしてパスを回した。ボランチが起点となり、1トップ2シャドウの前線へとつなぐ形はなかなか完成度が高かった。

逆に本番1週間前の日本は疲れがピークに達しており、序盤からかなり動きが悪かった。相手のミスを突いて仕掛けるカウンターは非常に精度を高めたものの、中盤でのボールポゼッションはうまくいかない。福西や加地もミスが多く、効果的な動きができなかった。宮本率いる最終ラインも早い時間帯は不安定な一面をのぞかせた。何となくリズムに乗れないまま前半は0-0で終わりそうだったが、最近の日本は追い込まれると勝負強い。ワンチャンスから貴重な先制点を挙げるのに成功する。

終了間際の44分だった。三都主のFKがいったんクリアされ、右サイドの加地へ。加地が送った大きなサイドチェンジが再び三都主に戻り、彼は思い切りのいいクロスを挙げた。ここに飛び込んだ鈴木が頭で合わせ、ようやく待望の1点が日本に生まれた。「厳しい展開だったんでどうしても1点が欲しかった。決めるべきところで決められてよかった」と鈴木も力を込めた。カザフスタン戦で玉田が2得点を挙げ、猛烈なアピールをした直後だっただけに、彼も安堵したことだろう。

●シリア戦 後半へ続く…