川淵三郎キャプテン
「お忙しいところ集まっていただき有難う。新潟県中越地震復興支援のチャリティマッチを発表できることになり、嬉しく感じている。実は地震があった時、ブラジルにいたジーコ監督から電話があり『何か勇気づけられることはないか』という相談を受けた。それが試合の発端。シンガポール戦のメンバーに関しても、ああいう形で決着したが、その意向も組み入れられてよかった。選手自身も光栄だと言ってくれた。私も心から喜んでいる。この試合で新潟の方々に勇気、希望、力を持って欲しいと思う。最初は国立で開催するという話もあったが、このゲームは新潟でやらないと意味がないと思った。そして実際に新潟で行える見通しが立ったのはうれしい。この日にはJFAアンバサダーの永島昭浩、井原正巳、武田修宏の3人が地元の小学生300人を集めてサッカー教室を行うことにもなった。さらに前日には代表選手たちが3グループに分かれて被災地を訪問する予定だ」
ジーコ監督
「ブラジルでは現役時代からチャリティのイベントを沢山やってきた。向こうの選手たちは『ファンあってのサッカーだ』という意識が強い。ファンに何かあった時、全員で結集してやってきた。今回の地震が発生した時、エドゥーから電話があった。私自身もテレビのニュースで知っていたので、ぜひとも被災者の方々のために何かできないかという気持ちになった。それを通訳を通して川淵キャプテンに伝えた結果、こういう試合を行えるようになった。新潟はサッカー人気の高い地域だし、代表が戦うことでサッカーの楽しみを知ってもらい、悲しみや辛さを少しでも和らげてもらいたいと思う。今回のメンバーに関しては当初、召集予定だった相馬がケガで辞退することになった。そしてチャンピオンシップを戦うマリノス、レッズの選手を外した。降格の方もセレッソになるかレイソルになるか分からない。もしセレッソが昇格戦に出る場合には明神が入り、逆の場合は森島が入ることになる。これに若い選手である駒野と大黒も加えた。彼らは今、Jリーグでコンスタントに働いており、近くで見てみたいということで選んだ」
……先発メンバーは?
「試合が今日明日ということなら、3バックで楢崎、秋田、小村、森岡、名良橋、服部、本田、山口、名波、カズ(三浦知良)、中山。キャプテンはカズだ」
……山口は新潟所属だが、前後半で敵味方に分かれて戦うのか?
「いいアイディアだが、アルビレックスも代表に選ばれたので代表でと言っている。どのくらいプレーするか分からないが、基本的には代表でやると思う。でも、そのアイディアもいいね」(川淵キャプテンが補足)「新潟の反町監督が『ウチにはブラジル人が4人いるんで、出してもいいか?』と言っていたので、『いいよ。新潟のチームのためになるならどんどんやってくれ』とジーコ監督は言った」
……ユニフォームのデザインは?
(川淵キャプテンが回答)「チャリティマッチ用のデザインを今、アディダスに考えてもらっている。従来のものとは違うと思う」
……この試合が2月の最終予選へのチャンスになるのか?
「今回の選手は全員現役。だから可能性はある。この試合だけでメンバー選考の対象にするのは難しいが、所属クラブでの動き、貢献度を見つつ、決めていくことになる」
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日本代表ドリームチームメンバー
【スタッフ】
監督 ジーコ
テクニカルアドバイザー エドゥー
フィジカルコーチ 里内 猛
GKコーチ カンタレリ
<GK>
下田 崇(サンフレッチェ広島)
楢崎 正剛(名古屋グランパス)
<DF>
小村徳男(サンフレッチェ広島)
秋田 豊(名古屋グランパス)
名良橋晃(鹿島アントラーズ)
服部年宏(ジュビロ磐田)
森岡隆三(清水エスパルス)
駒野友一(サンフレッチェ広島)
<MF>
山口素弘(アルビレックス新潟)
本田泰人(鹿島アントラーズ)
澤登正朗(清水エスパルス)
名波浩 (ジュビロ磐田)
伊東輝悦(清水エスパルス)
明神智和(柏レイソル)※
森島寛晃(セレッソ大阪)※
<FW>
三浦知良(ヴィッセル神戸)
中山雅史(ジュビロ磐田)
城 彰二(横浜FC)
大黒将志(ガンバ大阪)
※選手の出場可否はJ1・J2入れ替え戦出場によって決定
(取材・文/元川悦子)
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