引退後のセカンドキャリアを考える
では、クラブと来季の契約を結べなかった選手の進路はどうなったのだろうか?もちろん、可能な限り現役を続けることが希望であるが、それをかなえられる選手はそう多くない。また全員がサッカー関連の仕事に就けるわけでもない。かなりの数の選手が新しい世界にチャレンジしなければならないのだ。移籍A:Jリーグへ
移籍B:JFL、地域リーグへ
就職A:Jクラブスタッフへ
就職B:サッカー関連へ
就職C:サッカー以外一般企業へ
この部分は選手によって意識の差が大きいそうだ。どれだけ長く選手をやっても40歳くらいまで。平均寿命を考えれば、引退してからの人生の方が長いのだ。「自分も選手だったので気持ちはわかります。現役の時に引退後のことを考えるのは難しいし、考えたくもない」と重野さんは言う。しかし、引退した瞬間から考えたのでは遅いのも事実だ。重野さん自身も富士通川崎を最後に引退したあと、母校の鹿屋体育大学の大学院に通ったが、選手の夢があきらめられず、アメリカへ行きトライアウトを受け、「インドアープロサッカーリーグ」で1シーズンを送った経験がある。
「気持ちの切り替えが難しいのですが、切り替えないと本当の意味で先へは進めません。プロ選手になれたということは、サッカーの技術だけでなく、精神面や様々な面ですぐれた部分を持っているということだと思います。ですから意欲的に取り組めば、セカンドキャリアも充実したものになるはずです」。そして、「現役時代から次のステージの準備をしておくのは、あたりまえという風になって欲しいですね」。そんな重野さんのお勧めの本は「文武両道、日本になし―世界の秀才アスリートと日本のど根性スポーツマン」マーティ・キナート著だ。
●キャリアサポートセンターの役割へ続く