桜の色は表現するには微妙な色
桜の木全体を撮ることで桜のある風景写真になります。引きと寄りを上手に使い分けたいところ。 |
カメラのオート露出の仕組みはなんとなく理解していただけましたか?
では、桜の花びらに向けて、オート露出で撮影するとどのようになるのでしょうか。桜の種類にもよりますが、言葉で桜の色を言い表すと「薄いピンク色」というのが一般的に表現されるところでしょうか。
この「薄いピンク色」は写真で表現するには、とても難しい微妙な色加減なのです。
桜の花の色は白に近いですね。つまり反射率は大きい部類の被写体と言えます。前のページで解説したオート露出では、明るい被写体は全体を平均的な色合いにするために暗めに撮る露出を割り出します。このまま撮ってしまうと、実際見ている桜の花の色より、暗い感じで写ってしまう場合があるわけです。
また逆に太陽の光があまり出ていない、夕方などに桜の花を撮る場合、全体が暗いために、反射率が低くカメラは明るく撮ろうと露出を割り出したために、見た目より明るく撮れる場合があります。
なかなか思うように撮れないジレンマはこういったところに原因があるのですね。そして、微妙な調整を必要とする「薄いピンク色」。なんとか撮りたいと思う桜の色を表現したいですね。
桜の花の色を調整するには、露出補正機能で
桜の花はアップ目に撮っても絵になります。どこからアプローチしてみるかいろいろイメージしてみましょう。 |
そこで、この微妙な露出の加減を調整するにはどうしたらいいのでしょうか。こういった場合にとても便利な機能がカメラには備わっています。それは、露出補正機能。
露出を段階的に微調整して撮るための機能。一眼レフカメラはもとより、最近のデジタルコンパクトカメラにもほぼ内臓されています。まずは、お持ちのカメラでこの機能の使い方などを確認してみてください。
露出補正機能は、補正する割合を好みの分量で設定できるようになっている機種もあります。その場合は、できるだけ細かい割合で撮れるように設定してみましょう。それだけ微妙なさじ加減を調整できます。
また撮るたびに露出補正の割合を設定するのが面倒だ、という方には、オートブラケット撮影という機能を利用しましょう。オートブラケット撮影は、1コマごとに自分で設定した割合の露出補正で露出を変えて撮影できるというものです。この使い方もカメラの機種によって異なるのでお持ちのカメラで使い方などをご確認ください。
早速この露出補正を使って撮った桜の色の変化を見てみましょう。次のページでご覧ください。