シオン修道会は実はでっちあげだった?! |
レオナルドは本当に秘密結社に所属していたのか?
謎のベールに包まれたレオナルドの私生活。ここでは更にレオナルドのもう一つの顔を探ります。1964年から1967年にかけてとある一連の古文書がフランス国立図書館に寄託されました。これこそが、レオナルドが会員として名を連ねていたとされる「シオン修道会」という秘密結社の内部文書とのこと。
因みに、この秘密結社は1090年に聖地エルサレムにて設立されたとあります。内部文書によれば、アイザック・ニュートン、作曲家のクロード・ドビュシー、作家のビクトル・ユゴーやジャン・コクトーが歴代総長として名を連ね、当時は、フランス大統領フランソワ・ミッテランもこの結社の会員であったと囁かれていました。
シオン修道会とは?
ダ・ヴィンチ・コードでレオナルドが関係していたという「シオン修道会」。この秘密結社の実態は一体どのようなものなのでしょう?シオン修道会に関しては、ヨーロッパで最強の秘密結社であるというものから、存在自体がでっちあげという説までいろいろな見方がありました。
映画の原作ではこの組織の実在の証拠となるものが示されていますが、通常の歴史学者や学会の間ではその存在は認められていません。
中世ヨーロッパでは、実際に「シオン聖母修道会」という組織が実在していたようですが、今回の結社の実態は1956年にフランスのアンマスという場所でプランタールなる人物が中心となって設立された地方組織だったのです。
この組織は同年広報誌「Circuitジャーナル」を発行ました。その内容は「安価な住宅の供給」を要求して、アンマスの不動産業者への批判をつづっただけの文書でした。
この組織は、同じ年の10月には早くも解散しており1962年と1993年にプランタールが復活宣言をしたものの何の活動もしていなかったようです。
ところで、くだんの古文書の件。プランタールが1960年代に友人の力を借りて偽造古文書をでっち上げフランスの国会図書館に寄託したというのがどうやら実態だったようです。
1961年から1984年まで彼は自ら創設した組織が中世のシオン聖母修道会の末裔であると喧伝して回りましたが、1993年に起きたペラ事件(インサイダー取引関連の事件)で家宅捜査を受ける羽目になり、文書偽造が全て明るみに出てしまいました。
結局レオナルドは何を伝えたかったのか?
「ダ・ヴィンチ・コード」の世界的大ヒットでにわかに注目の集まるレオナルド・ダ・ビンチ。レオナルドが類まれな才能に恵まれた天才であったことは疑う余地もありません。
レオナルドは、ともするとアーティストとしての一面が強調されがちですが、その実体は数学という論理的な科学を土台に自然の法則と人間の存在意味の解明に挑んだ思想家であり哲学者だったのはないでしょうか?
生きる方法を模索しながらも死という結末から逃れられない人間。この人間という存在を凡人を超越した知性で理路整然と探求しようと試みた大天才。
そして、道を究めれば究めるほど、当時のキリスト教(ローマ教皇)が支配する社会と神の存在に対しての疑問が深まり苦悩する大天才。
それがレオナルド・ダ・ヴィンチだったのではないでしょうか?
そして、彼は大宇宙の神秘とそこに生きる人間存在の意味を歴史に残る偉大な作品の数々を通して後世に訴えたかったのではないでしょうか?
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