日本画/日本画関連情報

これが日本画の超新星だ!2008(2ページ目)

今年も今後期待される日本画家を挙げながら日本画界の一年を振り返りたいと思います。今回は特に公募展別ではなく独自の動きをしている人に焦点をあてたいと思います。

執筆者:松原 洋一

浜田樹里
立島:異色といえばインドネシア生まれの浜田樹里はどうでしょう。松井冬子、町田久美、そして三瀬夏之介も日本画としては異色ですが、浜田もかなり個性的!インドネシアで生まれ小学生の時まで生活していたというバックグラウンド故なのか非常に力強い大陸的な作品で、アイデンティティ-は日本人のそれではないと思います。多分これからいろいろなフィールドで目にすることになると思いますよ。
ガイド:確かに異色な匂いがしますね。それに年代を追って作品を見ていってもブレがないのもいいですね。
東園基昭
岡崎:異色といえるかどうかわかりませんが、東園基昭は幼い頃からお能をやっていて、伝統的文様を現代的にアレンジした作品を描いてます。とても人気がありますね。
ガイド:確かに彼の展示はいつも完売ペースですよね。だけど、彼のファンを大切にする気持ちとかおもてなしの心からすれば売れるのも分かるような気がします。さすがに伝統芸能をやっているだけあって、彼の佇まいは華やかなんだけど親しみやすくていつまでも余韻が残る感じがします。
ガイド:それで、ちょっとさっきの話に戻るのですが、廣田さんが加藤優花の他に洋画商協同組合青年部企画のグループ展に推薦した作家は誰なんですか。
福井道顕
廣田:もう一人は福井道顕です。福井くんは多摩美の大学院を今度修了する作家です。作家自身の性格は自己主張するタイプではないように思いますが、そのぶん作品で自分の思いや考えを主張しようとしているところと、与えられてしまった枠を壊そうともがいているところに魅力を感じました。
ガイド:どこかユーモアが感じられて面白い作品ですね。
立島:実は佐藤美術館では今年から多摩美術大学日本画と版画の院生の研究発表展を開催していて福井くんも出品していました。この展覧会で福井くん以外では佐藤はる香、小山あゆみの作品に興味を持ちました。この二人に共通するのは「視点」、つまり表現の方向性の「潔さ」みたいなもの。いささか荒っぽい部分もあるのだがもしかしたらそれも魅力なのかもしれない。まだまだ若いのだから考えすぎずに描いていって欲しい。
馬籠伸郎
岡崎:馬籠伸郎も面白いですよ。古いレコードにコミカルなお化けを描いてます。
ガイド:福井道顕や馬籠伸郎のような作風はけっこう海外で受けるかもしれませんね。
廣田:そうですね、可能性は十分にあると思います。しかしどんな作品でも国によって向き不向きがあると思うのですが、その前に日本で注目を集めない作品が海外に持っていくと受けるということはなかなかないことだと思っています。つまり日本である程度以上の関心を持たれないとどこに行ってもやはり関心を持たれない可能性が高い。
ガイド:それはそうでしょうね。自国で活動しているうちに海外にも知られるようになるのが自然な流れでしょうから、いきなり海外だけを目指すのはムリがありますね。
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