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週刊【山田真巳エッセイ】(その11) 赤道直下の三日月

どうやら世界中どこから見ても月面の模様は同じに見えるようだ。しかしパプア・ニューギニアで椰子の木陰から見えた上弦の三日月は…

執筆者:All About 編集部

文章:山田真巳
YAMADA MASAMI
         1982年 巣落ちの仔梟を飼い始める

左は「時を紡ぐ」(クリックで拡大)
耳のあるのが“みみずく”、ないのが“ふくろう”と思っていたが、 北海道の“しまふくろう”には立派な耳がある。もっともふくろう に耳が無い訳ではなく、みみずくの耳に見えるのは、飾り羽だそう なので深く追求しないことにしよう。

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山田真巳略歴
    
赤道直下の三日月

月を描くようになってから、気になってよく夜空を見上げるようになった。どうやら世界中どこから見ても月面の模様は同じに見える。きっと月の裏側の方が重たいから、遠心力でつねに地球の外側になってしまい、表側をいつも地球に向けているのだろう。ある時、赤道直下のパプア・ニューギニアで見た三日月が、とても印象的だった。椰子の木陰から見えた上弦の三日月なのだが、全く傾きがなく、水平線と平行なのである。つまり今まで日本で見ていた三日月は、地球の傾きだけ傾いて見えていたのだ、と大発見でもしたかのように感心したものだった。日本美の真髄は左右非対称にある、と思われるが、三日月も傾いて見えるので日本情緒を醸し出すには打ってつけであろう。それも地球が傾いているから四季がある訳で、それが日本美の根幹になったのだ。そのことを考えると、アンバランスのなかに繊細なバランスを保つ日本美を日本の三日月は象徴しているのかもしれない。


「赤道直下の三日月」(クリックで拡大)

三日月は上弦の方が朗らかな感じがして好きだ。外輪が輝き、これ からどんどんと満ちていき、満月になる月だからであろう。

※次回は「地球のおへそ」です。     

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