文章:松原 洋一(All About「日本画」旧ガイド)
IKENAGA YASUNARI |
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●池永康晟
1965年 大分県生まれ
1984年 大分県立芸術短期大学附属緑丘高校油絵科卒業
前田真三ライブラリー等を経て日本画を描く。→その他の情報
●ご挨拶/約十年振りに作家活動を再開します。最初のご挨拶を All Abaout Japan で出来る事を幸福に思います。
●ホームページ
●All About ガイドサイトで興味あるテーマ→【雑貨カフェ】
◇表現したいものについて |
光沢するなめらかな肩に。紅潮するすべらかな頬に。愛した人の其れに触れる事がたとえ叶わなくとも。画の中では唯一私のものになる。
愛した人の肉体が朽ち果てた後も。私の画はあなたが存在した事を。あなたへの賛美を。私の情熱を宣言し続ける。
あなたの愛情と肢体が現世では私以外の誰のものであっても、私は描く事で永遠の勝利を得たとは言えないのだろうか。
描く事は告白であり、ごく私的な出来事のように感じている。
表現などしない。「あなたを愛した」ただそれだけの事である。
◇自分の作品について |
「私を見よ、私は此処に在る。」画で他者を屈服させたかった。
しかし私の指は動かなくなった・・・。
10年に及ぶ”深い水の底”から、どうやってこの水面まで辿り着いたのか。どう説明すべきか知らない。ただ功名心と焦燥感にもがく私はさぞ醜かっただろう。それでも私が愛した人は「私が愛した事」を赦してくれた。”赦されて描く”もうそれで充分ではないか。
この画はそんな”気付き”の一枚である。
「裏切りを受け、それでも強くしなやかだった」君を。本当は抱きしめたかった。抱きしめる代わりにこの画を描いた。それが私なりの抱擁ならそれで良い。
「明日髪を切る 2」(部分)
◇話しておきたいこと |
今、私にはいとおしい恋人がいる。
19歳年下の君は、私の腕の中で鈴のように美しい音色で良く笑う。日々の邂逅の尽くが切なくて、これから”泣顔”ばかり描くのだろうと考えていた私に。「笑った顔も良いよね。」そう言って君は、まるで蕾が爆ぜるようにまた笑った。
君の不器用な振る舞いの全てが私には嬉しい。今年は君の”笑顔”を沢山描くのだろう。2004年の年が明ける。
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