▼最後に、佐藤美術館の奨学生の中で、今後の活動に注目している日本画家をご紹介ください。
皆活躍しているので一人一人挙げると大変なので特に注目している日本画家だけここで取り上げてみましょう。
【第1期生】陳文光/東京芸術大学博士課程修了 現在中国広州美術学院副教授
両洋の眼などの出品する傍らニューヨークでのマコトフジムラらのグループ展に参加したのをきっかけにアメリカでも活躍中。工芸的と言えるほどの緻密な描写とおおらかな大陸的表現が身上の画家。
【第1期生】大西守博/京都市立芸術大学院修了 日展出品
近年自分の息子を対象にした作品を発表し続ける。父親としての愛情溢れる眼差しが作品にきらめきを与えている。
【第2期生】武部雅子/東京芸術大学博士課程修了
院展に出品しているが近年はグループ展やコンクール展でも活躍中。院展では異色な人物表現が注目に値する。
【第3期生】海老洋/東京芸術大学博士課程修了 同大学助手
創画展に出品する傍らグループ展などに積極的に出品している。ユニークな風景表現が注意を引く画家。
【第3期生】星晃/武蔵野美術大学院修了
独特な絵肌を持つ抽象作品 抑制された絵具の美しさが作品の魅力。
【第4期生】石崎昭亜/東京芸術大学博士課程修了
近年絹本を用いた作品にとりくむ。卓越した古典表現と画家自身の若々しいエッセンスの融合に注目。
【第5期生】千々岩修/多摩美術大学院修了 同大学助手
新しい感覚の風景画と言うに相応しい新鮮なイメージが作品に込められている。
【第6期生】棚町宜弘/多摩美術大学院修了
千々岩同様風景画を主に描くが非常に量感のある画面が作品の存在感を際立たせ見るものに迫る。
【第7期生】石井礼子/女子美術大学院修了
石井の場合油画専攻でありながら和紙と墨を用い自らの生活の機微を独特の描写で表現し注目を浴びている。
【第7期生】吉賀あさみ/武蔵野美術大学院修了
本年度の星野眞吾賞優秀賞受賞画家。
【第8期生】中村寿生/東京芸術大学博士課程修了 同大学助手
近年立体で自立する作品を制作する。注目できるのは作品の形態だけではなく周りの空気を孕んで感じる作品の存在感。
【第8期生】藤倉明子/女子美術大学院修了
のびのびとしておおらかな風景画が魅力の画家。
【第8期生】奥村美佳/京都造形芸術大学博士課程在学中
本年度創画会賞受賞画家。
【第9期生】牧野環/愛知県立芸術大学院修了
本年度雪舟の里総社墨画公募展大賞受賞画家。
【第9期生】神戸智行/多摩美術大学院修了
独特の技法からなる繊細な表現が身上の画家。現在麻布アートサンサシヨンにて個展開催中。
その他、
【第9期】石井瑞穂/東京芸術大学院修了デザイン
【第10期】高橋浩規/東京芸術大学博士修了デザイン
【第10期】荒井経/東京芸術大学院博士修了文化財保存
【第10期】福井青士/多摩美術大学院修了
などなどです。他にもたくさん注目画家がいるのですが…。
立島惠(たてじま・けい)/1960年東京都板橋区生まれ。和光大学人文学部芸術学科卒業。麻布美術工芸館勤務を経て、現在財団法人佐藤国際文化育英財団佐藤美術館主任学芸員。
佐藤美術館は、若い画家を応援する機関です。僕のほかにも学芸員が二人います。二人ともやはり若い画家のことを注意深く見ていて彼らとのコミュニケーションを通して社会に対しアクションをしています。私たちが若い画家たちに対してできる事は限られているかもしれませんが、一緒に考えることはできますのでいつでも佐藤美術館の門を叩いて頂きたいと思います。日本画家だけではなく油画の方も版画の方も是非!是非!
●佐藤美術館ホームページ
●第11期奨学生の研究発表展は2003年1月13日から2月21日の予定