位牌は中国の儒教から由来したもの
位牌は仏教独自のものと思われがちですが、実は中国の儒教から由来しています。儒教では先祖祭祀をする際に、官位や姓名を書く位版(いはん)や神主(しんしゅ)といわれる霊碑を用いる習慣がありました。鎌倉時代に儒教儀礼の影響を受けた禅宗が、座禅やお茶ともに位牌を祀る儀礼を伝えたといわれています。今日では、位牌は亡くなった方の霊をお祀りする象徴として仏壇に安置されています。表面には戒名、没年月日、裏面には俗名(生前の名前)、享年等を書きます(仏壇・仏具店で印字をお願いします)。
なお、浄土真宗では位牌をお祀りせず、過去帳に法名や没年月日等を記入します。
葬儀の位牌と仏壇の位牌の違い
四十九日までに本位牌を作ります。一週間ほど余裕を持ってつくりましょう
白木はその名のとおり、何も塗料を使っていないので、手垢や汚れがつきやすく使いまわしができません。このことから白木には「清浄無垢」という意味のほかにも、「あなただけのためのものですよ」「1度きりのものです」という意味があり、お祝い事や、仏事に使われてきました。その習慣から、亡くなったばかりの方のために使用する祭壇や位牌は、白木を使用するようになったといわれています。
白木位牌を使用するのは四十九日まで。四十九日(中陰)を過ぎると忌明けとなり、漆塗りの本位牌に替えます。四十九日法要で開眼法要(入仏式、魂入れ)をしていただき、その後仏壇に納めます。なお、通常位牌はひとりひとり独立して作りますが、本位牌の場合は夫婦連名にするケースも少なくありまません。繰出位牌(くりだしいはい)といって、ひとつの位牌の中に先祖の戒名が7~8枚書かれた板を入れるタイプの合同位牌もあります。