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かもしたくなる!?『もやしもん』の魅力

もやしもんとは、菌が見える主人公とその仲間たちによる農業大学生活マンガ。身近だけれどもあまり知らない菌に、愛着がわいてきてしまう理由とは?

石井 千湖

執筆者:石井 千湖

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もやしもんとは、菌が見える主人公・沢木惣右衛門直保(さわき そうえもん ただやす)とその仲間たちによる農業大学生活マンガ。2008年9月現在、6巻まで刊行されている。身近にあるけれどもあまり知らない、敵視もされることも多い菌に、愛着がわいてきてしまう理由とは?

口癖は「かもすぞ」! 沢木の目で見たキュートな菌たち

もやしもん―TALES OF AGRICULTURE (1) (イブニングKC (106))
<DATA>タイトル:『もやしもん 1』出版社:講談社著者:石川雅之価格:560円(税込)
食物を腐敗させ、悪臭や病気の原因にもなる。菌は基本的にダーティなもの……。そんな偏ったイメージを打ち破り、菌類の世界の見方ががらりと変わる漫画が『もやしもん』だ。

伝統ある種麹(もやし)屋の息子・沢木惣右衛門直保は、なぜか菌が肉眼で見えるという特殊能力の持ち主。沢木はチャラくて楽しいキャンパスライフを目指して、幼なじみで造り酒屋の息子・結城蛍(ゆうき けい)と一緒に東京郊外にある某農業大学に進学する。

ところが、入学早々、祖父の知人で何かいろいろ企んでいるらしい樹慶蔵(いつき けいぞう)教授、ボンデージファッションの院生・長谷川遥(はせがわ はるか)、大学で密造酒を作ろうとする貧乏な二年生コンビ・美里薫(みさと かおる)と川浜拓馬(かわはま たくま)などが起こす騒動に巻き込まれる。そして元ミス農大の武藤葵(むとう あおい)や清潔好きの新入生・及川葉月(おいかわ はづき)も加わり、樹教授が学内につくった発酵蔵でさまざまなものをかもすことに……。

樹の専門である発酵食品の魅力から危険な病原菌の話まで、いろんな蘊蓄が物語に織り込まれているので、菌類の世界に興味と親しみがわく。特に沢木の目を通して見える菌を、可愛くキャラクター化しているところが出色。いつも彼の肩に乗っている麹菌A・オリゼーは、フィギュアやぬいぐるみにもなっているほどキュートだ。
ソフトステージ ~菌劇場~ もやしもん A・オリゼー
菌たちの口癖は「かもす(=醸す)ぞ」。かもしてる姿が愛らしさをも醸しだす。

次ページでは、6巻までに登場する菌をピックアップ!

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