当たり前のことからはじめよう
著者はフリーエンジニア。個人サイトで発表していた文章が、竹熊健太郎氏に評価されたことが出版のきっかけだとか。本にするにあたって全面改稿したという。 |
まず議論のルールを語るにあたって、「破壊者」の話から始める点がおもしろい。「破壊者」とはどんな人か? それは他人の話をまったく聞かない人だ。まえがきにも、
本書では、「議論とは人の話を聞くことである」ということを大前提に掲げて、なぜ議論がすれ違ってしまうのかを考えていきたいと思います。
とある。他人の話を聞かなきゃ議論できないのは当たり前。しかし実際にネットで炎上した掲示板やブログを見てみると、そもそも論点となっている発言すらきちんと読んでない人が多いと感じないだろうか? 第一部では、一見冷静なようで感情論で話している人、インチキな理論を主張する人、どんな意見も無効化する冷笑主義者など、まったく話を聞かない人=有意義な議論をするつもりがない人の具体例を挙げていく。
ここでわかるのは、議論に参加する前に、その場を観察した方がいいということ。他人のフリ見て我がフリ直せ、なのだ。
「破壊者」がいなくても議論が混乱してしまうのはなぜ?