芥川賞諏訪哲史『アサッテの人』
『アサッテの人』は「群像」2007年6月号に掲載。※7/20に単行本発売予定だそうです。 |
そんな中で、受賞したのが諏訪哲史のデビュー作『アサッテの人』だ。一読した印象は、想像の斜め上を生真面目に追究した小説、という感じ。
叔父が失踪するまでのエピソードを語り手が作中で小説にする。内容は叔父の奇妙な言動が中心になっているのだが、詩あり、手記あり、図表あり、という凝った構成。
■読みどころ
・叔父が突然発する“ポンパ”“タポンテュー”“チリパッハ”といった単語の謎。
・タイトルの由来になった“アサッテ男”(エレベーターでひとりになると、ヘンテコなことをする)との出会い。
・衝撃のラスト←選考委員のコメントがすごく気になる!
読んだら、周囲の人と感想を話し合ってみよう。大人が雁首そろえて「ポンパって何?」とか「タポンテューって、なんかかわいくない?」とか言うのである。そんな自分たちを振り返ってみると、なんだか笑いがこみあげてくるのだ(実際にガイドはやりました)。
<DATA>
※発売予定情報を追記しました(7/18 14:00)
タイトル:『アサッテの人』
出版社:講談社
著者:諏訪哲史
価格:1,575円(税込)
発売予定日:7月20日
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