■「必要だが十分ではない」原題に込められたメッセージ

生産現場である工場(第一作)から市場(第二作)へと広がった「TOC理論」。本作では、一見、再び生産現場に戻ったかのようにも見える。今回、重要なファクターとして登場するコンピュータシステムが対峙するのが、在庫であり、工場の生産力であるからだ。一作目は、生産現場の只中で格闘する人たちの視点で通して理論が語られ、本作では、その生産現場に新しい仕組みを売り込む側の視点で理論が語られていると言える。

もちろん、理論のドメインが縮小されたということではない。物語としての本筋は、ある企業が「市場」で確固たる競争優勢を確保していくまでのプロセスであり、そういう意味合いでは、前ニ作を統括した内容である。何より「既存の障壁を破壊する新しい仕組みを導入する時には、既存の障壁に規定されてできたルールから変えるべき」という著者の主張は、より大きな領域をカバーしたものであろう。本作では、「新しい仕組み」=「コンピュータ・システム」であるが、既存の枠組みから逸脱した発想から生まれたサービスや商品全般に置き換えて考えることも可能だと思う。

ちなみに、本書の原題は、「Necessary But Not Sufficient」。どんな画期的な仕組みも、それだけでは、「必要ではあるが、十分ではない」――。原題の意味するところは、業種・職種に関わらず、大きな環境変化に直面している数多くのビジネス・パーソンに何らかの示唆を与えてくれるのではないだろうか。

★あえて、アラ、捜します!
門外漢の私にとって、三作のうちで本作が一番わかりやすかった。ということは、門外漢でない人にとっては、もしかすると少々食い足りないかも。

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