落語/落語関連情報

席亭に聞く:鈴本演芸場編/その2(3ページ目)

「席亭に聞く:鈴本演芸場編/その1」の続きです。番組表の決め方や企画の構成など、寄席の運営についてさらに詳しく伺いました。落語ファンが気なる「あの噺家」の襲名についても伺いました。

執筆者:清水 篤司

特別興行の企画も担う

次回の寄席の番組表や特別興行、または各地で開催される落語会のチラシはホールロビーにあります。寄席に行ったら必ずチェックすべし!
ガイド:通常昼・夜席の十日間興行以外にも様々な、企画興行を開催されていますが、こういった企画は芸人さんが考えるのですか?

鈴木席亭:いえ、落語のネタなどは噺家さんが決めますが、企画の内容自体はこちらから提案します。夏休み親子寄席などは、毎年来てくださるお客さんも多く、とても好評をいただいております。


今後の落語と寄席芸能について

ビルの中にあるとはいえ、入り口付近は寄席の情緒たっぷり。こういった雰囲気はいつまで残してほしいものです。
ガイド:現在は落語はブームといわれるでいますが、これは廃れてしまうんでしょうか?

鈴木席亭:そんなことはないと思います。今の与えられた映像を漠然と受け取るテレビやゲームで育った若い人にとって、噺を聞いて想像する落語の楽しさは新鮮だと思いますの。

ガイド:なるほど、新たな層の開拓はもっと広がるということですね。また、若い頃落語を聴いていたと思われる団塊の世代と呼ばれる人たちは寄席に増えましたか?

鈴木席亭:ええ、そう思います。寄席って夫婦で楽しむには一番いいところなんですよ。だってテレビを見たって若い人向けの騒がしいお笑い番組ばかりでしょう? 「それなら寄席でも行ってみようか?」となるのだと思います。

「古今亭志ん生」襲名について

ガイド:ここ2、3年大名籍(林家正蔵、柳家小さん)といわれる噺家さんの襲名が続いてきましたが、そういった襲名は今後予定がありますか?

鈴木席亭:私は故・古今亭志ん朝師匠から「席亭がこれはと思う人が現れたら継がせてください」と古今亭志ん生の名前を預かっています。今年の鈴本演芸場の開席150周年記念パーティーでもお話させていただいたのですが、今すぐというわけではないのですが、私の頭の中では候補というのがあります。

ガイド:そうですか、やはりファンとしてはそういった、名前が高座に上がるのうれしいですからね。期待しています。

寄席の楽しさついてたっぷりお聞きすることができました。お話の中で特に印象に残ったのが「寄席はお客さんのペースで気軽に楽しんでもらう所」「寄席は大衆劇場」とい言葉です。このお客さん重視の姿勢が、鈴本演芸場が150年という長い歴史を経ても変わらず愛される理由なのかもしれません。

【関連リンク】
鈴本演芸場ホームページ

インタビュー前半の席亭に聞く:鈴本演芸場編/その1はこちら
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