真景累ヶ淵を作った三遊亭円朝とは?

むちゃくちゃ怖い、講談師・一龍斎貞水による立体怪談「真景累ヶ淵より豊志賀の死」。夜中に一人で見たらトイレに行けなくなること必死。
三遊亭円朝(1839-1900)は幕末から明治に活躍した噺家であります。また「芝浜」「文七元結」「死神」など数多くの名作落語を作り、ストーリー性を持たせた人情噺と呼ばれるジャンルを確立しました。それゆえ円朝が近代落語の祖とも言われ、また「落語の神様」と呼ばれる存在でもあります。

その三遊亭円朝が21歳の時に作ったといわれているのがこの「真景累ヶ淵」です。真景累ヶ淵は落語の演目だけでなく、芝居や映画としても数多く上演されています。


一大巨編・真景累ヶ淵

桂歌丸「真景累ヶ淵」落語による真景累ヶ淵の完全版。CD5枚組みで5時間に渡る超大作。
真景累ヶ淵は人間の色と欲が複雑に絡み合った人間ドラマで、怪談物と一言で片付けるにはもったいないほどの珠玉の一大巨編です。またこの物語はとても長く、一席の落語ではとても全て演じることができないので多くの噺家が各場面ごとに演じています(講談や歌舞伎なども通しではなく場面ごとに一話完結)。


落語の演目による真景累ヶ淵の各場面

宗悦(そうえつ)殺し:ここからこの物語の因縁が始まります。

深見新五郎:物語の主人公であり奇妙な運命に翻弄される兄弟、新五郎と新吉誕生。ここでは長男・新五郎を軸に物語が展開する。

豊志賀の死:この場面以降は次男・新吉が物語の軸となっていく。「豊志賀の死」は真景累ヶ淵の中で前半の山場となるため多くの噺家がこの場面のみを演じます。真景累ヶ淵=豊志賀の死と思われるほど有名な場面。

お久殺し:新吉の初めての殺し。怪談の見せ所である豊志賀の亡霊が登場する場面はお芝居や映画でも有名。

お累(おるい)の婚礼:物語の中で一瞬の幸せの場面でもあり、更なる悲劇の幕開け。

お累の自害:物語の一番の泣かせどころ(というより残虐すぎる)。本当に救いようのない悲しい(目を背けたくなる)場面の連続です。

湯灌場~聖天山:悪に染まった新吉が縦横無尽に殺しに手を染めていく。通常、真景累ヶ淵を通しで演じる場合はここで物語をを〆ます(しかし、原作だとまだ物語の半分を過ぎたところ)。

お熊の懺悔:一気に物語の終盤に突入。全ての物語の因果が分かる。この場面を最後まで演じきったのは近年だと桂歌丸のみらしいです。

上記のように場面ごとに区切って演じられても内容が充実して面白いのがこの真景累ヶ淵の特徴です。また真景累ヶ淵は怪談物ですので夏になると寄席や落語会でも各場面ごとに一話完結で演じられるようになります(豊志賀の死が最もよく演じられます)。ぜひ、機会があれば一度、落語の演目として「真景累ヶ淵」を聴くことをオススメします。きっと落語の新たな楽しさと奥深さを発見できると思います。

また「真景累ヶ淵」は有名噺家によるCD音源が多数ございます。そちらもチェックされたはいかがでしょうか?

【関連リンク】
志ん朝復活-色は匂へと散りぬるを を「真景累ヶ淵-豊志賀の死」
圓生百席(55)真景累ヶ淵(しんけいかさねがぶち)~1「宗悦(そうえつ)殺し」~2「深見新五郎」
林家正蔵 名演集 5 真景累ヶ渕「水門前」/紫壇楼古木/やかん


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