国立演芸場の歴史
入場口、一階の突き当りには演芸関連の貴重な資料が常設展示されています。 |
上杉:当初、芸人団体から「演芸資料館」を国立で作ってほしいとの要望があり、資料館のみを作る予定だったのですが、資料館だけではなく、併設施設として演芸場も作ることになり、現在のような形になりました。今ではこの演芸場の方がメインとなっておりますが、本来はここは演芸資料館内の演芸場なんですよ。
ガイド:なるほど、そういう経緯があったんですね。
上杉:ただ、ここは他の寄席のような繁華街ではなく、噺家さんもネタにしていますが、隣が最高裁判所という立地条件ですからね(笑い)。設立当初はお客さんが来なくて、かなり苦労しました。お客さんがいないときは職員をお客に仕立てたり、なんとかお客さんが来るような工夫をスタッフで色々考えたりしました。
増渕:そんなこともありましたね。
ガイド:そこは国立といえども、他の寄席と同じような苦労や努力をしているのですね。
上杉:ええ、ほとんど同じようなことはしていると思います。
国立演芸場の特色
手荷物や上着(冬場のコート類)が、かさばる時に便利なロッカー。代金も国立価格の10円と格安!一階奥のロッカーがけっこう穴場です。 |
上杉:ええ、定席では当日が2,000円、前売りが1,800円、学生1,400円、小学生1,000円、シルバー(65歳以上)1,100円となっております。特別公演は別料金となります
ガイド:通常、寄席の入場券は当日売りの自由席なのですが、国立演芸場では前売りの指定席になっているようですが?
上杉:昨年の4月より定席を全席、前売りは指定席として販売させていただいております。当日券に関しましても、現在は自由席ですが、今年の4月より「指定席」となります。
ガイド:なぜ、このような販売方法に移行したのでしょうか?
上杉:以前の自由席だと、お客様によっては入場券をすでに購入されているのに開演前から(良席を確保するために)長時間並ばれる方がいたり、開場後もスムーズな座席案内が行えなかったりと、ご迷惑や不都合な点が増えてきました。それゆえ、定席公演も全席指定の前売りにして、チケット購入後はゆっくり来場いただき、ゆったりと指定の席で楽しんでもらうほうが良いと判断し「指定席」販売とさせていただきました。
ガイド:なるほど。「指定席」の評判はいかがですか?
増渕:開演時間に合わせてゆっくり出かけられるし、入場した後に席を見つけるのに慌てることもなくゆったりと鑑賞できると、大変、ご好評いただいております。
ガイド:他に特色はありますか?
上杉:各出演者の公演時間をたっぷり取るようにしています。特に定席の主任(トリ)に30分、中トリにも25分と配分し、お客さんにはじっくり高座を味わっていただくよう配慮しています。
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