音楽のリスクとリターン「原盤権」 1
CD離れが続く中、レコード会社の売上は減少
音楽ソフトには、それを使用する権利「原盤権」がというものあります。アーティストや作品ごとに、原盤権をレコード会社が持っていたり、アーティストの所属事務所や音楽出版社などが持っていたりします。(ビクターが誰のどの作品の原盤権を持っているか等は、公にされていませんのでわかりません。)
レコード会社が原盤権を持っている作品をCDにして販売する場合、CDの売上の多くがレコード会社の収入になります。CDのみならず、ネット配信やカラオケ等の二次利用で利益を得ることもできます。
しかし、原盤権を持っていない作品の場合、レコード会社は「原盤権保有者からその作品を借りてきて、CDを作る」という形になり、CDの売り上げの一部を原盤権保有者に支払わなければなりません。しかも、原盤権保有者から配信する権利を得られていない場合は、作品がネット配信でたくさん売れたとしても、それはレコード会社の利益にはなりません。
ネットでダウンロード購入する人が増え、CD売上が減少する今、原盤権のない作品で利益を上げることはとても難しくなっています。当然、レコード会社は、ぜひとも原盤権を持ちたいと考えます。しかし、持てない場合が少なからずあります。というのは、原盤権を持つことは、「リスク」も伴うからです。
(Vol.2に続く)