皆さんも一度は経験したことがあるかと思いますが、株価が底を打って上昇する過程で、
“このまま上がっていったらどうしよう… そろそろ買わなくては…
と不安になり、その後株価が急上昇!慌てて飛びついて買ったはいいものの、その後しばらくして株価は下落し、すぐに売ってしまう…“
こういった経験、一度はあるかと思います。今回はこのような売買を統計的にみると果たして正しいのかどうかについて検証します。
買いの条件“慌てて飛びつく”を数字に置き換えると…
統計的にみるためには、まず、上記の“慌てて飛びつく“を数字で定義づけする必要があります。株価が上昇して慌てて飛びつく株価水準を、
“過去60日間(営業日ベースで3ヶ月)の高値を更新したら買い”と定義づけます。
“下落する株価を3ヶ月間ずっと見てきて、その後上昇に転じ、高値を更新したのでたまらず買う“をイメージすると分かりやすいかと思います。
売りの条件、買ったはいいものの、その後しばらくして株価は下落し、すぐに売ってしまう…“を数字に置き換えると…
“終値が過去5日間の安値を更新した翌日に成り行き注文で売り”と定義づけます。“慌てて買ったはいいものの、1週間で安値を更新したまらず売ってしまう…”をイメージすると分かりやすいでしょう。
そこで今回は、以下のような売買ルールで売買した場合、過去どういった結果になったかについて検証してみました。
期間:2002年~2009年
対象:全銘柄
・買いルール
終値が過去60日間の高値を更新した翌日に成り行き注文で買い
・売りルール
終値が過去5日間の安値を更新した翌日に成り行き注文で売り
検証結果は以下の通りです。
[検証結果]
勝率: 42.14 %
勝ち数: 9,665 回
負け数: 13,269 回
引き分け数: 346 回
平均損益(円): 3,941 円 平均損益(率): 2.46 %
平均利益(円): 25,817 円 平均利益(率): 15.55 %
平均損失(円): -11,890 円 平均損失(率): -7.01 %
平均保持日数: 25.42 日
勝率は約42%と低いものの、グラフをみる限りでは2003年~2006年と2009年3月以降の株価上昇局面では、有効に機能していると言えるでしょう。ただし上記の結果はあくまでも条件に合致した全取引を行った場合の結果です。また手数料も考慮していませんので、あくまでも、このような取引をした場合の傾向を掴むにとどめておく必要があります。
“株価上昇局面では、高値更新銘柄の買いは比較的有効だ“と覚えておき銘柄選びの参考にするといいかもしれません。