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韓国国民俳優アン・ソンギ『墨攻』を語る(2ページ目)

韓国国内で最も有名な俳優といえば、「国民俳優」と称されるアン・ソンギ。日・韓・中の合作映画『墨攻』に出演した彼にインタビュー。合作ならではの苦労や俳優人生についてききました。

執筆者:桑畑 優香

現代に通じる墨家のメッセージ

――墨家の「非攻兼愛」思想は、とても大切なメッセージだと思います。戦争が絶えない現代にも通じる、貴重なメッセージ。アン・ソンギさんはそれについてどう思っていますか?

アン・ソンギ:
時代背景は2000年以上前ですが、「非攻兼愛」は人間が存在したときからずっとあった大きなテーマだと思います。この作品を選んだ監督の考え、世界観がまさにそこにあります。監督は平和・愛ということを深く考えていて、私もそれに共感してこの作品を選びました。中国映画の過剰な表現に重点を置くのではなく、テーマの持っている真摯な部分、そこに重点を置いていることでも素晴らしいと思いました。またアジアの合作で各国の人が参加しているのが大きな魅力でした。自分が演じた巷淹中が魅力的だったことも参加したことを決めた理由です。

――巷淹中の役についてヒューマンな部分があるといっていましたが、どんな人物だと分析していますか?

アン・ソンギ:
一言では表すことが出来ない人物だと思います。10万の軍を率いる将軍ですから、多くの経験もあるでしょう。たくさんの人を殺したこともあると思います。ただ、一般的にイメージされる将軍とはちょっと違うのではないかと考えています。例えば相手に対する配慮も感じられます。映画の中では梁の城を通らなければならなかったのですが、たまたま革離がいたから対戦を余儀なくされてしまった。もし革離が出てこなければ巷淹中はただ通過したのではないかと思います。力も知恵もバランスよく持っていたのではないでしょうか。


次ページでは、アンディ・ラウの魅力について語ります。
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