『王の男』は人生を賭けた作品

『王の男』は、韓国で観客動員数歴代2位を記録した
ガイド:
チャンセンを演じるために体重を増やしたそうですね。

カム・ウソン:
その通りです。かっこよくて痩せているキャラクターを目指したわけではありません。チャンセンの筋肉は働くことによってついた筋肉だったと想像しました。監督からは「綱渡りをする芸人は痩せている人が多いため、少し体重を落としてほしい」と言われましたが、チャンセンとコンギルの関係を考えるとむしろ肉をつけた方が合っているのではないかと提案しました。監督は私の意見を受け入れてくれました。

ガイド:
劇中にはカム・ウソンさんご自身が提案した部分が他にも多くあるのですか?

カム・ウソン:
演出者の意図に違わない範囲で多くの提案をしました。人生をかけてやってみたい、私の持っているすべてを出したい、そんな気持ちでした。少し足りないと思う部分を補うためにも監督にはいろいろな意見をぶつけました。その大部分を取り入れてくれましたね。編集の過程でも第一次編集が終わった時点で満足できなかった部分十箇所を修正するように指摘しました。俳優の力というよりも、より良い作品を作るために受け入れてくれたのだと思います。完成度を高めるために多くの力を投資をしました。

ガイド:
俳優が編集後も意見を提案するというのは珍しいことではないかと思いますが、カム・ウソンさんはすべての作品においてそのような姿勢を貫いているのでしょうか。

カム・ウソン:
そうですね。すべての作品で同じです。作品へのアプローチ、キャラクターを分析する方式が異なるだけで、役に立つと思えば様々な提案をします。実際、最初から完成度が100パーセントというシナリオに出会うのは難しいものです。何人かの視点で見ると不足しているところが見えてきます。そこをどう埋めるかが成功カギだと思います。私は作品を失敗させたくない。興行成績的に成功するかどうかはわかりませんが、作品として失敗はさせたくありません。

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