子供の気付きや心づかいに注目する
テーブルウェアフェスティバル2008年入選作品。今年はどんな作品で入選されたのでしょうか? |
「娘が小学生の時に家族で海にいったのですが、その際に『どうして海水はしょっぱいの?』という疑問を彼女が持ったんですね。それで海水をタッパーに入れて家に持ち帰り水を蒸発させ塩を炊き出してみることにしたんです。それで塩水や塩の結晶に興味を持ったのでちょうど夏休みということもあり、顕微鏡を与え夏休みの自由研究にしたんですね。それからいろんな塩水を作って結晶にしてみたり、塩の博物館にいったり。この課題への挑戦は「すごいことに気がついたのね。」「海の水の中に何が入っているのかしらね。」「どうしたらわかるかしらね。」という娘との会話から始まったのですが、“疑問を持ったこと、気付きがあったこと”をはじめ“次は何をやってみようかと思いついたことや、その宿題をやっている過程”も褒めるようにしました。例えば「蒸発させる温度が違うとどうなるかやってみたい」といったときは、一緒になって“ゆっくりだと結晶にならないのではないか?”とか、“うんと大きな結晶は出来ないのだろうか?”など子供の智恵を引き出す質問をし、娘から返ってくる答えの中にある“思い付き”をすごく褒めましたね。やはり子供もモチベーションが続かないと宿題もやりきれなくなってしまうでしょう?褒めるということでやる気が続きますし、『もっともっと』という前向きな欲も出てくるからいろんなことに興味を持つのでぜひ今子育てをされているお母様たちにも『物事の過程を褒める』ことをお勧めします。」
また子育ての責任の一つとして馬場先生は子供が将来、社会に巣立てるようにすることだという観点から子供が大人になった際に「褒められるようになること」につながることを できたり、受け入れられた時にはその都度お子さんを褒めるようにされてきたとのこと。これは本人が自ずと気付いた場合だけでなく親からいわれて出来た時にも褒めるようにされていたそうです。例えば“電車でお年寄りに席を譲ってあげた”“道で10円でもお金を拾ったときにおまわりさんに持っていく”とか、“靴をそろえて玄関をあがった”“こんにちは、おはようございますなどの挨拶ができた”時など。これらのことは特に大きな出来事ではなくともすると日常の中で埋もれていってしまう「当たり前」の光景ですが、そういった一つ一つの小さな出来事に丁寧にむきあうことが子供の将来に大きな自信をあげることになるのであればぜひやってあげたいですね。
「ありがとう」は一番簡単な褒め言葉
馬場先生は最近、いろんな人と接する中で気になっていることがあるそうです。「最近、潤滑油的な挨拶言葉、例えば『ありがとう』とか『ごめんなさい』が云えない人が増えているように思います。またこれらの言葉の使い方においての適材適所が解らない人が増えているというか。こういった言葉って一言あるだけで場がなごむことも多いし、『ありがとう』は一番簡単な褒め言葉だと思うんですね。ですから子供にもお礼をいう習慣を取り入れていただきたいと思います。家庭におけるコミュニケーションが希薄に育った方にその傾向が強い場合がどうも多いように思うので、家庭内のコミュニケーションも大切にしていただきたいですね。」
褒められて(=認められて)育った子供は他人も認められる大人に育ちます。ぜひ今日からお子さんにも「ありがとう」を伝えてあげてくださいね。